この記事では、「王道」と「定番」の違いを分かりやすく説明していきます。
「王道」とは?
「王道」とは、二つの意味を持つ言葉で、一つは仁徳に基づく政治という意味です。
これは儒家の理想とされる政治思想のことで、孟子によって大成したものです。
もう一つの意味は、英語royal roadの訳で、安易な方法、楽な道、近道というものです。
これらが本来の意味なのですが、現在では正統な方法、正しい方法、基本、定番といった意味で使われることが多くなっています。
ようするに、誤用が定着しているとも言えるわけですが、言葉の意味は時代と共に変化していくこともあります。
間違った意味合いで使っているという知識は持ちつつ、柔軟に対応していくようにしましょう。
「定番」とは?
「定番」とは、商品番号が固定しているということから、流行に関わりなく需要がある商品という意味があります。
例えば、長年、自分が愛用している商品のことを「私の定番」「春は〇〇のスニーカーが定番」という言い方をします。
主にファッション業界などで使われる言葉ですが、他にも日常的にあるもの、ありふれていることに対しても「定番」を使います。
「カレーライスは月末の定番メニュー」「チキンと言えばクリスマスの定番」という風に言い表したりもします。
何かに迷った時は「定番」と言われている物やことを選択すれば大きく失敗することはなく無難ということでもあります。
「王道」と「定番」の違い
「王道」と「定番」を、分かりやすく解説します。
この二つの言葉は本来の意味としてはまったく違うものです。
そもそも「王道」とは仁徳に基づく政治、もしくは、安易な方法、楽な道といった二通りの意味を表す言葉です。
しかし、現在は正攻法、正統な方法、基本、定番といった意味合いで使われることが多くなっています。
間違った使い方なのですが、なぜか定着していて意味合いとしても通じてしまうのです。
基本、定番といった意味合いで使う場合は「定番」と同義語ということになります。
「定番」は、もともと商品番号が固定しているということから、流行に関わらず一定の需要がある商品という意味で使う言葉です。
一定の需要があるということは常に店頭にその商品は並びます。
そのようなイメージからか、ありふれた物、自分の中でお決まりとなっていること、商品なども「定番」と使います。
簡単にまとめますと、「定番」という意味で「王道」という言葉を使うことはできます。
しかし「王道」の正しい二つの意味で使う時は「定番」は使えませんし、意味がまったく違います。
「王道」は「学問に王道なし」という風に使うことが正しいのですが、なぜか「正統な方法」「正攻法」という意味で使うこともあるのです。
誤用を指摘することは、場合によっては相手を傷つけたり、恥をかかせてしまうこともあります。
特にビジネスシーン、公の場では振舞い方に気をつけるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「王道」と「定番」は同じような意味合いで使う時もありますが、もともとは違う意味を持つ言葉です。
それぞれの言葉の、由来などを理解することで、使い分けに迷うことはないでしょう。