この記事では、「近接」と「接近」の違いを分かりやすく説明していきます。
「近接」とは?
「近接」には2つの意味があります。
ひとつは、空間的に2つのものが離れていない状態になることです。
あるものが別のあるものと空間的に離れていないところに移動することを意味します。
たとえば、AとBの間には5mの距離があったとします。
Aの方向にBが移動して、その距離が4m、3m、2mと縮まっていきました。
このことを意味します。
もう一つは、2つのものが空間的にほとんど離れていないところにあることです。
ほとんど離れていないとは、どれくらいなのか定義はありません。
一般的には、1kmも離れていることはいいません。
来店する人のために駐車場を用意している店があります。
店と駐車場は、空間的にあまり離れていないことが多いです。
店と駐車場の間に距離がありすぎると徒歩で移動する距離が長くなってしまい、来店者にとって不便です。
そのため、たいていは空間的に離れていない場所にあります。
そのことを「店と駐車場が近接する」といいます。
「近接」の使い方
空間的に離れていない位置に移動することや、空間的に離れていないところにあることという意味で使用をします。
接するように近くにある場合に使うことが多いです。
「接近」とは?
「接近」には3つの意味があります。
1つめは、2つのものが空間的に離れていない状態になることです。
あるものが別のあるものの方に向かって移動することを意味します。
横断歩道で信号待ちをしていたとします。
自分の方に向かって車がやってきて、その距離はどんどん縮まってきました。
これを「車が接近してくる」といいます。
2つめの意味は、2つの人や物の間に内容や程度について違いが少なくなることです。
テストの点数で説明をします。
数学のテストの点数は、Aさんは90点、Bさんは89点です。
2人の間に実力という点で大きな違いがはありません。
このことは「実力が接近する」といいます。
3つめは、互いに打ち解けた関係になるです。
初対面のときは、互いによそよそしい態度をとっていました。
しかし、何度か話をしているうちに相手のことがわかってきて、だんだんと相手に対して親しみを持つようになりました。
このようなことを意味します。
「接近」の使い方
空間的、心理的に近づくことに使用をします。
「近接」と「接近」の違い
あるものと別のあるものが空間的に離れていない状態になるという意味が似ています。
「近接」はほとんど離れていない位置にあるという意味も持ち、「接近」はうち解けた関係になるという意味も持っている点が、2つの言葉の違いです。
「近接」の例文
・『自宅と商店が近接している』
・『近接する駐車場を利用する』
「接近」の例文
・『船が島に接近してきた』
・『低気圧が接近してきている』
まとめ
あるものが別のあるものの方に移動するという意味が似ていますが、2つの言葉はそれ以外の意味も持っており、その点に違いがあります。