この記事では、「五言絶句」と「五言古詩」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な漢詩を学んでいきましょう。
「五言絶句」とは?
五言絶句(ごごんぜっく)とは、唐の時代に育まれた漢詩のこと。
ひとつのまとまりに、5つの漢字を並べるというルールがあります。
そしてその「まとまり」は4行あり、これを4句と呼んでいます。
まとめると、ひとつの文章に5語あるもの。
そして5語の句が、4句並んでいるものが五言絶句になります。
計算するとトータル20の漢字で作られた、とても短い詩です。
今の時代に例えるのなら、ショートエッセイになります。
ちなみに五言絶句の「絶句」とは、詩のスタイルのこと。
絶句には「だらだらと書かずに、かならず起承転結をつけなさい」というメッセージが込められています。
そのため五言絶句の詩は、どれも起承転結のオチがあります。
はじめの1句で問いかけ、次の2句ではその答え、3句では新たな問題が起こり、最後の4句では「全体のまとめ」を付け加えます。
そのため五言絶句の文章はリズミカルで、読みやすいという特徴があります。
また構成がはっきりしているので分かりやすく、誰もが親しみやすい内容になっています。
「五言古詩」とは?
五言古詩(ごごんこし)とは、六朝時代より前に編み出された、古い漢詩のこと。
ひとつのまとまりに、5つの漢字を置くという決まりがあります。
ただ何行並べるのか、つまり何句連ねるのかについては、明確なルールが決まっていません。
そのためとても長い漢詩もあれば、とても短い漢詩もあって「自由なスタイル」の詩が多くなっています。
読み物に例えるのなら、随筆や紀行文、旅行記のようなものです。
ちなみに五言古詩の「古詩」とは、厳しいルールがないもの、制約を受けていないものという訳があります。
句数や文字数に制約がない五言古詩は、作者の思いをどこまでも伸びやかに映し出しています。
自然体で心任せであるものが、五言古詩の良さです。
「五言絶句」と「五言古詩」の違い
どちらも漢詩のスタイルです。
「五言絶句」と「五言古詩」の違いを、分かりやすく解説します。
・メリハリのある五言絶句と、自由な五言古詩
「五言絶句」は5語の漢字が、4句(4行)並んでいる漢詩のこと。
起承転結をつける、押韻するなどの決まりがあります。
ルールが明確に決まっているので、どれも短くコンパクトです。
「押韻」という韻を踏む文体になっているので、発音したときの響きも美しいです。
そして「五言古詩」は5語の漢字が並ぶ以外には、大きなルールはありません。
そのため自由で伸びやかな文体になっています。
まとめ
「五言絶句」と「五言古詩」の違いを分かりやすくお伝えしました。
五言絶句は4句から成り立っている、ショートエッセイのこと。
李白や杜甫など有名な歌人も愛した、伝統的な詩のスタイルです。
そして五言古詩は大きな制約のない、自由な漢詩のこと。
思いをうかべた随筆のようなものです。
色々な漢詩を知って、知識を増やしていきましょう。