何かを考えるといった意味を持つ「考慮」と「検討」は、どのように使い分ければよいのか。
この記事では、「考慮」と「検討」の違いを分かりやすく説明していきます。
「考慮」とは?
「考慮」とは、ものごとを色々な要素を含めよく考えることです。
一つのことに対し、様々な角度から、様々な意見、様々な状況といったように考えられるすべての要素を含めて最善の方法、結論を導き出すことを「考慮」と言います。
そのほか、「考慮」には、思いめぐらすや十分に考え抜くといった意味もあります。
「考慮」は、言い換えれば、「熟考」や「考え抜く」、「検分」、「思案」などと同じです。
「考慮」の使い方
「考慮」は、主に「考慮する」といった形で用います。
そのほか、「考慮に入れる」や「考慮した結果」、「考慮の余地がない」、「考慮が必要」などといった形でも用います。
「検討」とは?
「検討」とは、よく調べること、色々な面から調べて、何が良いか悪いか考えることです。
ものごとの内容をよく調べたうえで考えることが「検討」で、適当に考え結果を出すものではありません。
また、是非を判断するにあたっても、その内容を十分に調べたうえで判断しなければ「検討」とは言えません。
言い換えれば、「検討」は、「吟味」や「熟考」、「考察」、「思考」などと同じです。
「検討」の使い方
「検討」は、主に「検討する」といった形で用います。
そのほか、「検討した結果」や「検討中」、「再検討」などといった形でも用います。
「考慮」と「検討」の違い
「考慮」とは、ものごとを色々な要素を含めよく考えることを意味します。
考えを巡らせ、よく考えることとなります。
一方、「検討」は、深く調べたうえで考え判断するといった意味があります。
詳しく調べて、その善し悪し、当否を考えることとなります。
このように「考慮」と「検討」には、同じ考える行為でも微妙なニュアンスの違いがあります。
「考慮」の例文
・『家族全員の予定を考慮し、父の退職祝いを行う日を決定しました』
・『彼が他の生徒に与える影響力の強さも考慮し、クラス編成を考える必要があります』
・『部下の意見も考慮に入れ、今回のプロジェクト内容を決めることにしました』
・『頭ごなしに怒るのではなく、彼女の事情も考慮しなければいけないと思います』
「検討」の例文
・『この件につきましては、社に持ち帰り検討させていただきます』
・『今回発生した問題においては、まだ、検討の余地があるのではないでしょうか』
・『是非とも、弊社がご紹介したプランについて、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます』
・『その件については、ただいま、検討中ですので、もうしばらくお待ちください』
まとめ
微妙なニュアンスの違いがある「考慮」と「検討」。
そのため、何をどのように考えているのか、考えた結果なのか、といったことなどを踏まえ、それぞれの言葉を使い分ける必要があります。