この記事では、「混沌」と「混乱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「混沌」とは?
「混沌」には2つの意味があります。
ひとつは、天地がまだ開けず、明らかになっていない状態であるのです。
天地とは天と地、宇宙のことです。
開くには、開拓するという意味があります。
もう一つの意味は、すべてがまじり合ってあるものとあるものとの違いがつかないさまです。
10個の物があったとします。
このうち5個がまじり合っていて、残りの5個はまじり合っていないという状態のことではなく、この言葉はすべてが入り混じっていることを意味します。
キッチンの収納棚のことで説明をします。
整理整頓が苦手な人は、棚に何でもかんでも入れてしまうことがあるのではないでしょうか。
ハサミ、輪ゴム、ビニール袋、食器、割りばし、計量カップ、菜箸、ゴムベラ、缶切りなど、1つの引き出しの中にまじり合って入っていたとします。
きちんと並べて入れられているのではありません。
すべてのものがごちゃごちゃとしており、何がどうなっているのかわからない状態です。
このまじり合って区別がつかないさまを意味する言葉です。
「混沌」の使い方
すべてがまじり合って、あるものと別のあるもの違いがわからないさまという意味で使用をします。
カバンや引き出しの中身、政治情勢など、さまざまな事柄に使用をします。
「混乱」とは?
秩序が保たれていたものが、何らかの理由で秩序のない状態になること。
さまざまなものが入り混じって、整理がつかなくなることです。
感情、思い、物など、さまざまなことを意味しています。
日本人は昔から米を食べてきました。
現在はパン食の人が増えていますが、米でなければダメだという人が大多数だった時代があります。
そのような時代、もしもこれから日本で米を作ることはやめます、米を輸入することもやめますといった発表が政府からあった場合、人々はこれからどうやって食事をしていこうか、頭の中の整理がつかなくなってしまうことでしょう。
これからどうしようか、今家にある米が少しでも長くもつように考えなければ、自分で米を作った方がいいだろうかなど、いろいろと考えてごちゃごちゃしてしまうはずです。
そのときの頭の中は「混乱」しているといえます。
「混乱」の使い方
感情や物事などさまざまな事柄に使用をします。
いろいろなものがまじり合って、整理がつかない状態をいいます。
「混沌」と「混乱」の違い
「混沌」はまじり合っているものがすべてで、区別がつかなくなっていることを意味します。
「混乱」はすべてという意味ではなく、まじり合っているのはいろいろなもので、整理がつかなくなっている状態を意味します。
「混沌」の例文
・『混沌とした政治』
・『混沌とした状況』
「混乱」の例文
・『国中が混乱に陥った』
・『混乱を避ける対策』
まとめ
まじり合っているという意味が似ている2つの言葉ですが、一方は区別がつかないこと、もう一方は整理がつかないことで、意味合いが異なります。