同音異義語は非常に判断がしにくいものですが、同じ漢字が使われているとなおさらです。
今回はその中の2つをご紹介します。
この記事では「作意」と「作為」の違いを分かりやすく説明していきます。
「作意」とは
これは『芸術作品などを作るときの創作上の趣向や作者の意図』を表す言葉です。
ポイントは『趣向や意図』にあります。
言い換えるとある作品や製品などを作り、それで表現したいことや実現したい機能を考えてそれらを持たせるということになります。
つまり、『作品のねらい』という言葉ともいえるのが『作意』です。
例えば美術館などで絵や彫刻などの芸術作品を見た時に何等かの作者が伝えたいメッセージを感じることがあります。
そんな時に主観的ではありますが『私には作為を感じることができた』という表現をすることができます。
「作為」とは
これは『何かのたくらみがあり、何等かの手を加えて仕組むこと』を指す言葉です。
どちらかというとあまりいい意味で使われることはなく、ひっそりと誰にも気づかれないように仕組むというニュアンスを持つ言葉です。
もちろんアンケートなどを取るときにあえて『作為的に選ぶ』ということもあります。
この場合は特にいい意味も悪い意味もないですが、どこか作られているという意味では不公平にも感じるのではないでしょうか。
悪く言えば『不自然』と言い換えることもできます。
例えば『あなたの行為は作為的だ』というと何かの悪だくみに対して避難している意味を含んでいることが伺えます。
法律的な意味も存在しており、それは『意思に基づく積極的な行動や行為』を指しています。
例えば人の物を盗んだり、他人の住居に侵入したりするなどは意思が働きます。
通常の使い方でも法律的な意味においても『たくらみ』がある場合は『作為』を使って表現をします。
「作意」と「作意」の違い
この二つは対象が『創作の意図』か『たくらみをもって何らかを仕組む』かという違いではっきりと分けることができます。
別の見方では『作意』はいい意味でも悪い意味でも使える言葉なのに対して、『作為』はどちらかというと『不自然』や『見せかけ』というネガティブな意味で使われることが多い表現ともいえます。
実際『作為犯』という用語も損じしており、先ほど『作為』の項目でご紹介した法律の意味で犯罪を犯した場合に使われる言葉です。
「作意」の例文
・『作者の作意を存分に感じることのできるダイナミックな作品だ』
・『残念ですが、私には何の作意もありません』
・『この製品の作意をしっかりと伝えることが我々の使命だ』
「作為」の例文
・『その報告書には明らかに隠蔽しようとする作為が見える』
・『今回の人事異動には作為的なものが感じられる』
・『これは偶然か作為によるものかはっきりさせる必要がある』
まとめ
如何でしたでしょうか。
同音異義語であり、同じ漢字が使われている為わかりづらいのが今回の『作意』と『作為』でした。
どちらも意外と日常的に使われる場合が多いので是非違いを理解して使い分けるようにしてみてください。