この記事では、「掌握」と「支配」の違いを分かりやすく説明していきます。
「掌握」とは?
自分の手に握っており、自分の思っている通りにすること。
すべての方面にわたって自分の意のままに動かせる状態にすることです。
自分の手に握っているとは、実際に手の中に何かを持っていることではなく、比喩的な表現です。
ある国には、AとBの2つの勢力があったとします。
今はAが勢力が優勢で、この国の政治などはAが動かしています。
Aの思う通りに国を動かすことができる状態です。
ある一面だけを動かせる状態なのではなく、すべての方面に渡って思い通りに動かせる状態になっています。
AはBの手のうちにあるといえるでしょう。
今度はサッカーの試合で説明をします。
実力が同じくらいのチームが戦っている場合は、どちらか一方だけが優位になる状態は少なく、どちらが勝つのかわからない状態で試合が進んでいくことが一般的です。
ボールを奪ったり、奪われたりなどが繰り広げられます。
ある試合では、一方のチームだけがずっとボールを持っており、試合に優位な状態でした。
ボールを自分たちの思うと通りに動かすことができ、思う通りに試合を進めていける状態なのです。
この状態を「試合の主導権を掌握する」といいます。
「掌握」の使い方
自分の思う状態や方法であることを指して使用をします。
「支配」とは?
「支配」には3つの意味があります。
1つめは、ある地域や組織に、権力や勢力を達するようにして、自分の思う通りに動かせる状態にすることです。
Aという国をBという国が植民地にしました。
Bの思うことはAに伝えられ、それによってAの行動や考えを制限することができます。
BのもとにAがある状態です。
2つめは、ある事柄が人や物事に影響を与えて、その考えや行動に制限を加えて自由にできないようにすることです。
「太っているとかわいくないから、たくさん食べてはだめだ」という考えを持っており、この考えによって食べることに制限を加えている人がいたとします。
この人は『たくさん食べるのはだめ」という考えに「支配」されているといえます。
3つめは、仕事の配分・監督・指揮などをして、部下に仕事をさせることです。
「支配」の使い方
勢力・権力を及ぼして自分の思う通りにできる状態にするという意味では、地域や組織などに対して使用をします。
行動や考えに制限を加えて自由にできないようにするという意味では、人間について使うことが多いです。
「掌握」と「支配」の違い
「掌握」は自分の思うとおりにすることです。
「支配」は思う通りにできる状態のことです。
「掌握」の例文
・『権力を掌握している』
・『水域を掌握する』
「支配」の例文
・『支配が及ぶ』
・『支配されている』
まとめ
一方は自分の思う通りにすること、もう一方は力などが達するようにして自分の下におくことで、ニュアンスが異なります。