この記事では、「卒然」と「突然」の違いを分かりやすく説明していきます。
「卒然」とは?
前触れなしに何かが起こるさま、予期しないことが起こるさまという意味です。
「これからはじまりますよ」という知らせもなく、何かが起こることを意味します。
サッカーの試合のことで説明をします。
サッカーの試合は、前半と後半それぞれ45分ずつ行われます。
前半と後半の間には休憩時間が設けられます。
休憩をするために一旦試合は中止されますが、これはあらかじめこの時間には休憩をしますとわかっていることです。
そのため、前半の試合が終わって、一旦試合が止まることは「卒然」が意味するものではありません。
前半の試合中、まだ45分経っていないのに試合が中止されてしまったとします。
たとえば、サポーターが命に関わるような事態になってしまい、場内が慌ただしくなったために中止になったとします。
サポーターが命に関わる事態になるとは、誰も前もって考えてなどいません。
つまり、前触れなしに起こってしまったことなのです。
前触れなしにサポーターが大変なことになり、それによって前触れなしに試合が中止になりました。
このことが「卒然」が意味するものです。
「卒然」の使い方
前触れなしに何かが起こることを指して使用をします。
何が起こるのかは意味に含まれていません。
「突然」とは?
前もって知らせをするなどされずに何かが起こるさまです。
「これからはじまりますよ」という知らせもなく、何かが起こることを意味します。
地震はいつ起こるかわかりません。
現在の技術である程度の予想はできるのでしょうが、正確に何時何分に発生すると予想をするのは難しいです。
そのため、テレビを見ているときや、仕事をしているときなどにぐらっと揺れます。
テレビを見ているときに、まさか地震が起こるとは思っていないでしょう。
「これから揺れます」と教えてくれていれば、慌てることなく逃げることができ、被害が少なくなることでしょう。
しかし、実際にはそうではありません。
前もって知らせをされることなく地震が起こっており、これを「突然地面が揺れる」などといいます。
「突然」の使い方
あらかじめ何かが起こりますよと知らされることなく、何かが起こるさまを指して使用する言葉です。
「卒然」と「突然」の違い
前触れなしに何かが起こるさまという意味が同じで、2つの言葉の意味に大きな違いはありません。
日常的に使われているのは「突然」の方です。
「卒然」の例文
・『卒然と姿をくらます』
・『卒然とふりかえる』
・『卒然と起き上がった』
・『卒然言葉を発する』
「突然」の例文
・『突然のことに動揺をしている』
・『突然の発表』
・『突然のことですがグループを卒業します』
・『○○さんから突然連絡があった』
まとめ
前触れなく何かが起こるさまという意味が同じで、2つの言葉の意味に大きな違いはありません。