この記事では、エンジンの性能などで見られる「排気量」とエンジンやモーターの性能で見られる「馬力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「排気量」とは?
エンジンの燃焼行程に関わるシリンダー(気筒)容積の合計の大きさを示す数値で、エンジンの性能指標のひとつとなります。
2000ccのエンジンであれば500ccの気筒が4つあるケースが一般的です。
排気量が大きいほど基本的には馬力が高くなっていきますが、ターボエンジンなどは比較的排気量が低いまま大きな馬力を発生することが出来ます。
ハイブリッドシステムもエンジンは効率の良い排気量にして馬力の高いモーターを発電・回転させるケースが多くなっています。
内燃機関以外では排気量は基本的に表示されず、燃料電池車やバッテリーで動く電気自動車は排気量はありません。
排出ガスがほぼ出ず、二酸化炭素も出さない水素エンジンは気筒と排気量の概念はあります。
「馬力」とは?
75kgの物を毎秒1m動かす力で、英馬力、仏馬力などの単位がありますが、日本ではメートル法に基づいている仏馬力を採用しています。
馬力は回転の力(トルク)と回転数によって求められ、自動車であれば回転数が最大のときが最大トルクではないものの回転数の多さで最高出力に近い数値となります。
実際には最大回転数より少し回転数が少ない数値が最大馬力を発生します。
馬力は単位を変えて計算できるものでもあり、エンジンだけではなくモーターで動くものも馬力を表示することが可能で、エアコンなどもkw表記ながら馬力を発生していることがわかります。
1馬力は0. 735499キロワットとなっています。
自動車において回転数が少なく馬力が大きいエンジンは大排気量かターボによるものが多く、静かで加速が良いという点が大きなメリットです。
ハイブリッド車もモーターによる走行では低回転で馬力を発生するメリットがあります。
「排気量」と「馬力」の違い
「排気量」と「馬力」の違いを、分かりやすく解説します。
排気量はエンジンの大きさを表す数値のことで具体的には気筒の容積の合計の大きさとなっており、1気筒は500ccあたりが限界で12気筒6000ccなどの大型エンジンも乗用車には存在し、船はさらに大排気量エンジンが搭載されます「馬力」はエンジンで言えば力のことで、排気量はある程度比例していますが、50年前の車が2000ccで110馬力というケースに対し、最近の車は1300ccで100馬力などとなっており、エンジン排気量に対する馬力の強化がなされています。
モーターは馬力は発生しますが排気量の概念はありません。
なお、自動車では排気量区分で税金が増大し、馬力は税金に関係ありません。
まとめ
排気量と馬力はある程度密接に結びついており、大排気量であるほど最大馬力は高いというケースが一般的で、大排気量で最大馬力というケースはありません。
乗用車ではターボやハイブリッドなどで排気量は少ないものの馬力は1ランク上程度に高いものはありますが、燃費向上がメインと言えます。