人に気持ちを表す言葉となる「鬱陶しい」と「煩わしい」にはどのような違いがあるのか。
この記事では、「鬱陶しい」と「煩わしい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鬱陶しい」とは?
「鬱陶しい」とは、人の気持ちを表す言葉で、その気持ちは、心が塞いでいる状態で晴れ晴れしない、気分が重苦しい、といった状態に加え、何かが邪魔になってうるさいといった状態も意味します。
このように、落ち込むような気持ちや状況。
イライラする様な気持ちを意味する言葉です。
言い換えれば、「邪魔」や「妨げ」、「不機嫌そう」、「気に障る」などと同じ意味で、対義語は、「清々しい・清清しい」です。
「鬱陶しい」の使い方
人の気持ちや状況に対し用いる「鬱陶しい」には、「鬱陶しい天気」や「鬱陶しい髪型」、「鬱陶しい気分」、「鬱陶しい空気」などといった言葉があります。
「煩わしい」とは?
「煩わしい」とは、人の気持ちを表す言葉で、その気持ちは、非常に面倒で可能であれば避けたい気持ちとなります。
そのほか、込み入って複雑なことや気がおくれること、体の具合が悪いといった際にも、「煩わしい」が用いられます。
言い換えれば、「めんどくさい」や「厄介」、「ややこしい」などと同じ意味です。
「煩わしい」の使い方
「煩わしい」は、それぞれの意味に応じて、「煩わしい手続き」や「煩わしい気分」、「煩わしい仕事」、「煩わしい人間関係」などといった言葉があります。
「鬱陶しい」と「煩わしい」の違い
「鬱陶しい」も「煩わしい」もネガティブで不快な気持ちを意味る言葉です。
そのうえで、「鬱陶しい」は、邪魔に思えるようなものがあり不快に感じることに対し、「煩わしい」は、自分及び他人の行為、行動を負担に感じ不快に感じるものとなります。
この不快に感じる理由に違いがあります。
このことを基本に使い分ける言葉が「鬱陶しい」と「煩わしい」です。
「鬱陶しい」の例文
・『毎日、鬱陶しい天気が続き、こちらの気分までどんよりと落ち込んでしまいそうです』
・『面接の際、お辞儀をしたときに前髪が鬱陶しいと感じるため、ピンでしっかりと留めて面接に臨みました』
・『何度も友達から不必要な商品を勧められて、本当に鬱陶しい』
・『彼からの束縛が鬱陶しくなり、そのことを理由に別れることにしました』
「煩わしい」の例文
・『煩わしい近所付き合いを避けるため、私は分譲ではなく賃貸を選び住んでいます』
・『部長に煩わしい仕事を押し付けられ、気持ちが重いです』
・『女性の場合、結婚し苗字が変わるだけで、煩わしい手続きが多く大変です』
・『私は日本での煩わしい人間関係から逃げ出すため、海外での暮らしを選びました』
まとめ
同じネガティブな意味を表す言葉ですが、なぜ、ネガティブなのか。
なぜ、不快に感じるのか。
といった意味の違いが「鬱陶しい」と「煩わしい」にはあり、全く一緒の意味として用いることはありません。