日本の景気を示すのが、日経平均株価であるように、国際的な景気を知るためによく使われるのは、アメリカの株価を示す「ダウ」です。
それでは、この「ダウ」とはどういう意味でしょうか。
また、「ナスダック」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「ナスダック」と「ダウ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ナスダック」とは?
「ナスダック」とは、正式には「NASDAQ=National Association of Securities Deals Automated Quotations」のことで、全米証券業協会が運営している2つの株式市場のうちの一つのことです。
もう一つはNYSE(ニューヨーク証券取引所)であり、ウォール街はNYSEがある場所です。
「ナスダック」には特にハイテク株やベンチャー企業が多く上場しており、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの世界を動かしている巨大企業も上場しているので、現在の世界の動きをみるには最適な株式市場です。
「ダウ」とは?
「ダウ」とは、正式には「ダウ・ジョーンズ工業株平均株価」というもので、アメリカを代表する株式指数の一つです。
世界に進出している大きな会社の株の平均なので、その時点での世界の景気を知るためには欠かせない情報です。
実際にはニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している工業株の中から選抜された30社の平均になっています。
「ナスダック」と「ダウ」の違い
「ナスダック」と「ダウ」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つはアメリカの株式の売買に関する言葉であるという意味では同じです。
しかし、根本的に違うのはそれが意味するところです。
つまり、「ナスダック」は株式市場そのものの名前であるのに対して、「ダウ」は株式市場の全体的な値動きを示す株価指数のことです。
それは日本に置き換えると、「東京証券取引所」と「日経平均株価」を混同するようなものなのです。
「ナスダック」の例文
「ナスダック」の例文は以下のようになります。
・『ナスダックに上場しているのは新興のIT関連の会社が多いと言えます』
・『ナスダックでは総合平均指数の他に100の銘柄の動きを示したナスダック100指数なども発表しています』
「ダウ」の例文
「ダウ」の例文は以下のようになります。
・『NYダウ工業株30種平均は世界の景気をダイレクトに反映しています』
・『NYダウ先物とは未来の決済日に、あらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引です』
まとめ
この記事では、「ナスダック」と「ダウ」の違いを、解説してきました。
序文で述べたように、国際的な景気を知るためにはアメリカの株式の状況を知るのが早いと言われます。
これは、現代において世界の景気を牽引しているのが事実上アメリカであるからです。
それは日本においても同じで、ニューヨークでの株式市況の変化が次の日には東京の取引状況にダイレクトに影響を与えるのが現実です。