この記事では、「過剰」と「余剰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過剰」とは?
必要よりも程度や数量が多いこと、またそのさまです。
必要な枠を超えているという意味になります。
日本高血圧学会では、1日の食塩摂取量は高血圧治療においては6g未満を推奨しています。
高血圧の原因ははっきりしていませんが、塩分の過剰摂取は原因のひとつだとされています。
1日6g未満が推奨されているのに、高血圧の人が1日に20gも30gも摂取をしたら摂りすぎです。
必要よりも量が多いといえます。
これは「過剰な塩分摂取」といいます。
食塩摂取量は数値として表すことができますが、この言葉は数値化できないものも意味に含んでいます。
たとえば、人間の反応についてです。
誰から背後から声をかけられてビックリをしました。
このとき「うわっ」と驚く人もいれば、「うわわわわー」「心臓が止まるかと思った」など反応する人もいます。
あまりに反応が大きいので、驚かせた方が逆に驚くような反応をする人もいます。
驚かせた方は「うわっ」という程度の反応だと思っていたのに、相手は「うわわわわー」と思いもよらない大きな反応をした場合、この反応の仕方は「過剰」だといいます。
「過剰」の使い方
必要の枠を超えて数量や程度が多いことという意味で使用をします。
数量は数えられるもの、程度は数えられないものですが、どちらの場合でも使用できます。
「余剰」とは?
必要分をとりのけて残ったものです。
枠を超えたという意味合いではなく、あまりという意味合いです。
購入したけれど食べ切れない、もらったけれど食べることがない食品などが、家庭に存在していることがあります。
たとえば、お中元やお歳暮でもらった油、缶詰、ジュースなどです。
これらが消費されなかった場合、家庭では必要なく、残っているものになります。
この残っているものは「余剰食品」といいます。
衣類がこれくらい売れるだろうと思って仕入れをしたとします。
仮に100個を仕入れたとします。
実際に売れたのは80個でした。
100個から売れた分の80個をひくと、残りは20個で、この20個は「余剰」になります。
「余剰」の使い方
必要な分をとりのけた残りを指して使用する言葉です。
数量について使われます。
「過剰」と「余剰」の違い
多いという意味合いがある点が似ていますが、ニュアンスが異なります。
「過剰」は必要な枠を超えた数量や程度のことです。
「余剰」は必要を取り除いた残りのことです。
「過剰」の例文
・『過剰に供給する』
・『過剰な摂取』
・『過剰な運動』
・『過剰に防衛をする』
「余剰」の例文
・『余剰作物』
・『余剰分を何とかしたい』
・『余剰食品を回収している』
・『余剰電力』
まとめ
多いという意味合いがある点が似ていますが、一方は必要な枠を超えた分のこと、もう一方は必要な分を取り除いた残りのことで、意味合いが異なります。