この記事では、「喫緊」と「緊急」の違いを分かり易い形で説明していきます。
「喫緊」とは?
喫緊とは、きっきんという読み方をすべき言葉です。
漢字で表現されたこの言葉を目にすれば分かる事ですが、身に受けるとかこうむる等の意味の喫の漢字に、物事が差し迫っているといった意味の緊の漢字を付け足す事もより成立した言葉となっています。
だからこそ喫緊は、差し迫っていて重要な事やそういった様を表すのです。
「喫緊」の使い方
喫緊は、差し迫っている重大な出来事といった意味で使われる言葉となっています。
急いで対処したり行動する事を要する上に、その様な対処や行動がとても大事である事を示す際に駆使する言葉です。
ただし喫緊は日常会話の中でほとんど登場する事がなく、大抵の人にとってそれ程馴染みのない言葉となっています。
具体例としては、国にとって重大な局面で、政治家がこの喫緊という言葉を使う事を見聞きする事がある程度な人が少なくありません。
「緊急」とは?
緊急は、きんきゅうという読み方をする言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を見れば明確な事ですが、差し迫っているや引き締める等の意味を持つ緊の文字に、切迫した事態やいそいでいる事といった意味を有する急の文字を加える事で完成した言葉です。
そのため緊急は、重大で即座に対応せねばならない事やそういった様を示します。
「緊急」の使い方
緊急は、直ぐに対処する必要がある大事な事を意味する言葉として用いられているのです。
特に緊急事態というこの言葉を使用した表現で、即座に対応しなければいけない事態である事を、より強調したりします。
他にも、緊急連絡先という言葉も日常的に見掛ける事が少なくありません。
これは何か問題や悪い事態が起きた際に、直ぐに連絡すべき所といった意味で用いられているのです。
「喫緊」と「緊急」の違い
喫緊と緊急は文字を並べて見比べれば直ぐに、喫と急の文字の違いに気付く事が出来ます。
所がどちらも同じ緊の文字が使用されており、意味も似ている様な所があるのでややこしい組み合わせの言葉と言えるのです。
もっとも喫緊は、差し迫った重要な事柄といった意味であり、まだその重要な出来事自体は起きていません。
一方の緊急は重大で即座に対処すべき事といった意味を有しており、重大な事は既に訪れています。
「喫緊」の例文
・『政府には喫緊の課題に対処する責任があります』
「緊急」の例文
・『今朝は緊急地震速報の大きな音で目を覚ましました』
・『真夏なのに、エアコンが故障するという緊急事態が起きてしまいました』
まとめ
2つの言葉は、どちらも緊の漢字が使用されており、持つ意味合いも似ている様な部分があるのです。
ですが喫と急という文字の違いもある事から、表す意味のニュアンスに違いも生まれています。
まず喫緊ですが、差し迫った重要な事という意味であり、差し迫ったの言葉通りその重要な事はまだ起きてはいません。
対する緊急は、即座に対応しなければならない重要な事であり、こちらは既に対応すべき重要な事が起きており、今直ぐに対処する必要があるのです。