この記事では、「考慮」と「留意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「考慮」とは?
物事をいろいろな事柄を含めて考えることです。
ある一つの物事を考えることも、複数のことを含めて考えることも意味します。
旅行費のことで説明をします。
父・母・子の3人で旅行をすることになりました。
旅行をするためには、交通費、宿泊費、食費が必要です。
電車を使用するので交通費はどれくらいかあらかじめ計算できます。
宿泊費も予約をする際にわかっています。
交通費と宿泊費が合計で3万円だったとします。
旅館で夕食と昼食が出て、宿泊費に食費が含まれているので、食費は昼食分を考えればよいです。
これをおおよそ1万円とします。
これで旅行にかかる費用はおおよそ4万円であることがわかりました。
しかし、もしかしたらお土産を大量に購入するかもしれないし、突然の出来事で大きな買い物をするかもしれません。
子どもの希望で予定していなかった場所に出かける可能性もあります。
いろいろなことを考えると、4万円よりも旅行費は多く必要になるかもしれません。
このとき、お土産を大量に購入するかもしれないなど、いろいろと考えていることが「考慮」が意味するものです。
「お土産代を考慮して」などといいます。
「考慮」の使い方
物事をいろいろな内容や条件を含めてよく考えるという意味で使用をします。
考えが浅いことには使用しません。
「留意」とは?
ある物事を心の中に残しておき、それに気をつけることです。
バイキングにやってきました。
ここでは、和・洋・中、いろいろな料理を食べることができます。
ある人は糖尿病で糖質の摂りすぎに気をつけるようにと医者にいわれています。
そのため、あれもこれも食べたくても、糖質ばかり摂らないように気をつける必要があります。
バイキングには、ケーキ、チャーハン、パン、パスタなどおいしそうなものがたくさんありますが、それらは糖質が多いので、食べ過ぎてはいけないのです。
自分が糖尿病であること、糖質を摂りすぎてはいけないことを心に留めて、糖質が多いものの摂りすぎに気をつける必要があります。
これを「健康に留意する」などといいます。
「留意」の使い方
ある事を心に留めて気をつけるという意味で使用をします。
「気をつける」ということよりも「心に留める」ということに重点を置いて使います。
「考慮」と「留意」の違い
「考慮」とはよく考えることです。
いろいろな要素を含めて考えることを意味します。
「留意」は心に留めて気をつけることです。
考えているのではありません。
「考慮」の例文
・『もっと考慮すべきだ』
・『考慮に入れる』
・『専門家の意見も含めて考慮する』
・『季節を考慮する』
「留意」の例文
・『防寒性に留意をして製品を選ぶ』
・『留意点』
・『十分に留意してください』
・『留意事項を確認する』
まとめ
一方はよく考えること、もう一方は心に留めることで、それぞれの言葉の意味は異なります。