「推察」と「示唆」の違いとは?分かりやすく解釈

「推察」と「示唆」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「推察」「示唆」の違いを分かりやすく説明していきます。

「推察」とは?

「推察」とは?

「推察(すいさつ)」とは、「今の時点で分かる事柄や相手の反応などから、相手の気持ちおよび事情を思いやること」を意味している表現です。

「推察」という言葉は、主に「ある程度合理的な推測・観察によって、相手の心理状態や置かれている状況などを思いやること」を示しています。

例えば、「最愛の人を亡くした彼の悲哀と絶望は推察するに余りあります」といった例文で使うことができるのです。

「示唆」とは?

「示唆」とは?

「示唆(しさ)」とは、「直接的に分かりやすく示すのではなく、間接的に何となく気づかせるかたちで示すこと」を意味しています。

「示唆」という表現は、「それとなく分かるように教えて示すこと」といった意味を持っています。

「示唆」は、「あからさまな表現方法ではなく、暗示するようなやり方で気づかせたり教えて示したりすること」を意味している言葉なのです。

また「示唆に富んだ意見を拝聴しました」のように、「示唆」「示唆に富む=ある物事をよく知るための間接的な手がかりが多い」という用法で使われることも多くなっています。

「推察」と「示唆」の違い

「推察」と「示唆」の違い

「推察」「示唆」の違いを、分かりやすく解説します。

「推察」は、「相手の心境や置かれている状況などを推し量ったり思いやったりすること」を意味しています。

「推察」に対して「示唆」は、「あからさまなかたちではなく、それとなくほのめかすようにして指し示すこと(間接的なやり方で教えて示すこと)」というまったく異なる意味を持っている違いがあります。

「推察」「現時点で得られる情報や相手の様子などから気持ちや状況を想像して思いやること」を示している言葉であり、「示唆」のような「間接的なヒントを示して気づかせること」といった意味は持っていません。

また「示唆」「示唆に富む」といった慣用句的な用法を持っていますが、「推察に富む」といった言い方はないという点も異なっています。

「推察」の例文

「推察」の例文

・『10年以上もかわいがって生活を共にしていた愛猫が亡くなったということで、さぞ悲しくてつらいお気持ちであろうと推察しておりました』
・『離婚したばかりの彼女の事情を推察すると、今はしばらく放っておいたほうが良いように思われてLINEも電話もしていません』

「示唆」の例文

「示唆」の例文

・『コロナ禍におけるインフルエンザの感染者数激減が示唆している意味は何なのかを、複数の医師・研究者が考察していました』
・『宇宙の地球以外の惑星において、人間のような知的生命体が存在していることを示唆する直接的な証拠はいまだ見つかっていません』

まとめ

まとめ

この記事では、「推察」「示唆」の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?「推察」とは「他者の心理状態や立場などを想像して(推測して)思いやること」を意味していて、「示唆」「それとなくある事柄を示すこと、ほのめかして教えること」を意味している違いがあります。

「推察」「示唆」の意味の違い・例文について詳しく知りたい場合は、この記事の解説を参考にしてみてください。