頭がいい人は動きも素早い事が多いとは言えますが、逆に動きが素早い人が頭がいいとは限りません。
このような時に使う言葉として「敏捷」とか「俊敏」というものがあります。
それでは、これらはどういう意味でしょうか。
また、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「敏捷」と「俊敏」の違いを分かりやすく説明していきます。
「敏捷」とは?
「敏捷」とは、「びんしょう」と読み、「敏」が「すばやい」という意味で、「捷」も「はやい」という意味があるため、「動きや判断などがすばやい」ということを表す言葉です。
「敏捷性」という表現もよく使われ、肉体的な速さを示す事が多いですが、メンタルの速さの場合にも使われます。
英語では「agile」が近い言葉です。
これは有名なプログラムの開発技法である「アジャイル」と同じ言葉であり、ロールプレイングゲームでよく登場する「アジリティ」とも同じ意味の単語です。
「俊敏」とは?
「俊敏」とは、「しゅんびん」と読み、「俊」が「(特に頭脳的に)優れている」という意味で、「敏」が「すばやい」という意味なので、合わせると「頭の回転がすばやい」という意味になる言葉です。
主に理解や判断が速いことや、判断の速さによって起きる動きの速さを形容する時に使われます。
逆に言えば肉体的な意味だけを示すことはありません。
英語では「quick」あるいは「smart」が近いでしょう。
「敏捷」と「俊敏」の違い
「敏捷」と「俊敏」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ともに「すばやい事」を意味するという部分では同じですが、使われるシチュエーションに違いがあります。
すなわち、「敏捷」は、「動作が速いこと」と「理解や判断が速いこと」の両方に対して使われる言葉ですが、「俊敏」の方は主に「理解や判断が速いこと」に使われ、動作のことに言及する場合であっても頭脳的なバックグラウンドが必ず含まれています。
この違いは、結果として「敏捷」には「肉体的な優位性」があり、「俊敏」には「判断能力の優位性」があるということに結びつきます。
「敏捷」の例文
「敏捷」の例文は以下のようになります。
・『敏捷な身のこなしで飛んできた石を避ける事ができました』
・『敏捷性を測るために反復横跳びを行いました』
「俊敏」の例文
「俊敏」の例文は以下のようになります。
・『俊敏な判断力で物事の本質を見抜く事ができます』
・『俊敏な動きで敵の攻撃を回避した後に草むらに隠れました』
まとめ
この記事では、「敏捷」と「俊敏」の違いを、解説してきました。
今回ご紹介したのは動きの速さや頭の回転の速さの話でしたが、このような状況は経験や訓練によって作り出されるものです。
それとは別に、人間には反射というものがあり、状況や場合によっては頭で考えるよりも速く体が動く事があります。
これはそもそも本能的に危険を回避するための能力であると言われています。