この記事では、「補完」と「補填」の違いを分かりやすく説明していきます。
「補完」とは?
足りない部分を埋めて完全なものにすることです。
ただ足りないところを補うことではなく、補って完全な状態にすることを意味しています。
公共交通機関のことで説明をします。
電車は決まった時間に決まった駅にやってくるので、時間通りに移動をしたいときに便利です。
自動車よりも速く進むため、長距離の移動にも便利です。
しかし、鉄道が通っている場所にしか行くことができません。
鉄道が通っていない部分まではカバーしきれないのです。
この部分は不十分な点だといえるでしょう。
そこを補うために、レンタルサイクルを用意したとします。
レンタルサイクルがあれば、鉄道が通っていない場所に行くことができます。
細い路地も自転車なら通れます。
これで、さまざまな場所に行くことができ、移動をするのにほぼ完全な状態になったといえるでしょう。
「補完」の使い方
足りないところを満たして、完全な状態にすることを指して使用をします。
足りないところを満たしていても、完全な状態になっていない場合のことはいいません。
「補填」とは?
足りていないところや欠けているところを補うことです。
補って完全な状態になるという意味までは含まれていません。
結婚式でトラブルがあったときの保険があったとします。
この保険は、トラブルがあって足りなくなってしまった費用を補ってくれます。
問題なく結婚式を行った場合、250万円かかるとします。
トラブルが起こったため、250万円では足りなくなりました。
トラブルによって足りなくなった分は10万円だとします。
この足りなくなった10万円を保険会社が補ってくれます。
こういった、足りないところ、欠けたところを補うことを意味する言葉です。
「補填」の使い方
足りないところや欠けているところを満たすという意味で使用をします。
満たして完全な状態になっていなくても使うことができます。
特に金銭について使うことが多いです。
「補完」と「補填」の違い
補うという意味を持つ点が似ていますが、同じ意味ではありません。
前者には、完全な状態にするという意味が含まれていますが、後者には完全な状態にするという意味は含まれていません。
まったく不足する部分がない状態にするという意味を含むのか、含まないのかが違います。
また、後者は特に金銭について使用をします。
「補完」の例文
・『車両を補完する』
・『補完する方法を模索する』
・『補完をする必要がある』
・『すぐに補完された』
「補填」の例文
・『補填するつもりはない』
・『企業側が補填してくれる』
・『補填してもらえるようにお願いをする』
・『生活費を補填する』
まとめ
足りない部分を埋めるという意味を持つ点が同じですが、一方は完全な状態にするという意味を持っているのに対し、もう一方にはその意味が含まれていない点に違いがあります。