この記事では、「補強」と「補修」の違いを分かりやすく説明していきます。
「補強」とは?
弱くなっていたり、足りなかったりするところに、何かを足して強くすることです。
一定の水準まで高めるために何かを補ったり、念のために補ったりすることをいいます。
すでに一定水準に達しているものに不必要に何かを加えることではありません。
靴のことで説明をします。
歩き方によっては、靴のつま先部分がすぐに擦り切れてしまいます。
すぐに擦り切れるようでは、つま先部分の強さが足りないといえるでしょう。
そこで、つま先だけ強い素材を加えてみました。
これによって、つま先は強くなり、擦りきれにくくなりました。
これは「つま先の補強された靴」ということができます。
爪がすぐに割れて困っている人もいることでしょう。
すぐに割れてしまう弱い爪でも強くすることはできます。
爪を強くする専用の液体が販売されており、これを塗ることで爪が固く割れにくい状態になります。
これは「補強コート」などと呼ばれています。
この場合は爪に液を足して強くしています。
「補強」の使い方
弱かったり、足りなかったりする部分に、何かを足して強くすることに使用をします。
物に使うことが多いです。
「補修」とは?
壊れたり傷ついたりしている部分を直すことです。
正常な状態のものに何かを加えるのではなく、好ましくない状態のものを直すことを意味しています。
髪の毛はドライヤーの熱、紫外線、摩擦などによって傷んできます。
傷むと髪がパサパサになったり、枝毛が目だったりするようになります。
こういった髪をさらさらな状態にするためのトリートメントなどがあります。
これを使用することで、傷んだ髪が傷んでいない状態に近づきます。
このときに行うことが、この言葉が意味するものです。
壁に穴が開いてしまったとします。
これは正常ではない、壊れた状態といえます。
工事をしたりして直すことは、この言葉が意味するものです。
「補修」の使い方
物について使うことが多いです。
壊れたり傷ついたりしたものを直すという意味で使用をします。
「補強」と「補修」の違い
どちらの言葉にも、おぎなう、つくろうという意味を持つ漢字である「補」が使用されており、似たような意味を持っていますが、まったく同じことなのではありません。
前者は補うことで、直すことではありません。
後者は直すことです。
「補強」の例文
・『本の表紙を補強する』
・『ズボンの膝部分を補強する』
・『肩を補強したジャケット』
・『下地で補強をする』
「補修」の例文
・『補修工事をしている』
・『橋の補修が必要だ』
・『壁を補修する』
・『屋根を補修する』
まとめ
どちらの言葉も、おぎなう、つくろうという意味を持つ漢字である「補」を使用しており、意味が似ていますが、それぞれ違ったことを意味しています。
一方は弱かったりする部分を補うこと、もう一方は壊れていたりする部分を直すことです。