この記事では、「不文律」と「暗黙の了解」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不文律」とは?
「不文律」とは、「不文法」と同じ意味で、文章による表現がされていない法という意味があります。
つまり慣習法、判例法などがそれにあたります。
そこから、ある集団において、暗黙のうちに守られている約束といった意味合いになります。
例えば、家族の中だけにあるルール、職場での習慣など、あえて口にすることもない決まり事のようなものを言い表すのです。
「同期の飲み会では、給料や肩書に触れないことが不文律だった」「彼は、部の不文律を堂々と破ったことで伝説の部員となった」などと使います。
「暗黙の了解」とは?
「暗黙の了解」とは、何かに対して、あえて口に出さず黙ったまま納得すること、理解すること、認めることなどを言います。
「暗黙の了解」ができる人は、相手の気持ちや場の空気を読める要領のいいタイプであったり、思慮深さがあるタイプと言えるでしょうか。
「彼に暗黙の了解なんて求めても無理だ、はっきり言わないと」「上司が戻ると、暗黙の了解で彼女は部屋から出て行った」などと使います。
「不文律」と「暗黙の了解」の違い
「不文律」と「暗黙の了解」の違いを、分かりやすく解説します。
この二つの言葉はどちらも「口には出さない」「黙っているが何かを納得している」といった意味合いは同じです。
しかし、微妙な違いがありますので、使い分けをするようにしましょう。
「不文律」とはある集団の中で、口に出さなくても守られている約束事のことを言います。
つまり、法律のように守らなくてはならない物事なのですが、はっきりと文章や言葉にしているわけではないのです。
イメージ的には「ずっと何となく守られてきたこと」「口にするまでもなく当然のようなもの」といった感じが近いでしょうか。
一方の「暗黙の了解」はあえて口に出して言わないけれど、当事者たちの間で理解、納得が得られていること、何も言わなくても受け入れていること、といった意味になります。
こちらはルールというよりは、場や人の空気を読むといった印象が強い言葉です。
組織においては、必要なスキルとも言えるでしょうか。
また親しい人同士においては、心が通じ合っているとも解釈できるでしょう。
ほとんど同義語ではありますが、「不文律」は約束事という意味があります。
「暗黙の了解」には約束という意味合いまではありません。
まとめますと「不文律はある集団の中で黙って守られている約束事」「暗黙の了解は口に出して言わなくても理解すること、空気を読むこと」となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「不文律」と「暗黙の了解」の違いを説明しました。
どちらも言葉で表さない、黙っておくといった意味合いは共通していますが、微妙な違いがあります。
簡単に覚えるならば「不文律は黙って守られている約束事」「暗黙の了解は黙ったまま納得、理解、認めること」となります。
それぞれの言葉の意味を正しく理解して使い分けていきましょう。