「隠匿」と「隠蔽」の違いをご存知でしょうか。
ここでは二つの言葉の違いと、それぞれの言葉を使った例文、意味をわかりやすく説明しています。
「隠匿」の意味や使い方
「隠匿」とは「いんとく」と読み、意味は本来隠してはいけないものを包み隠すこと、またかくまうことを言います。
例えば犯罪をしたとわかっている人をかくまうことは「犯人を隠匿した」となるわけです。
隠してはいけないとわかっていて隠すことを「隠匿」という言葉で表します。
他には「隠匿物資があることはわかっている」「長年に渡って隠匿行為はあったと推測される」などと使います。
「隠蔽」の意味や使い方
「隠蔽」とは「いんぺい」と読み、意味はある物を他の物で隠すこと、発覚しては都合が悪い物事を隠すことを言います。
よく使われる言い回しに「隠蔽工作」などがあります。
これは自分側にとって都合が悪いとされる物事を隠す作業のことです。
「一家総出で、隠蔽工作に励むとは嘆かわしい」「いくら隠蔽しても証拠がある」などと使います。
「隠匿」と「隠蔽」の違い
「隠匿」と「隠蔽」、それぞれの言葉の意味と使い方を説明しました。
どちらも隠すという点では同じで、似た言葉ですが意味合いが違いますので使い分けを正しくしてください。
まず「隠匿」ですが、こちらは隠してはいけないものをこっそり隠すという時に使います。
犯人をかくまうことも「隠匿」です。
一方で「隠蔽」ですがこれは、自分にとって都合が悪い物事をわざと隠すことです。
この意味の違いをしっかり覚えておけば使い分けは容易です。
「隠匿」を使った例文と意味を解釈
「隠匿」を使った例文とその意味を見ていきます。
「隠匿」の例文1
「君は自分のロッカーに会社の書類を隠匿しているだろう」
隠してはいけないと知っていて隠すことを「隠匿」と言います。
例文は会社の書類を、自分のロッカーに隠しているということを「隠匿」という言葉で言い表しているのです。
「隠匿」の例文2
「アパートに犯人を隠匿する」
犯人をかくまうことを「隠匿」と言います。
この行為は、隠してはいけないとわかっていてすることですから悪いことです。
犯人に脅されてかくまうこととは別です。
「隠蔽」を使った例文と意味を解釈
「隠蔽」を使った例文とその意味を見ていきます。
「隠蔽」の例文1
「今までも、隠蔽ばかりしてきたと思われる」
「隠蔽」とは都合が悪い物事を隠すことを言います。
相手に嘘をついたり、言わなくてはいけないことを言わなかったり、誤魔化したりとその方法は色々あるでしょう。
例文は今までも、隠し事ばかりしてきたのだろうと疑われているのです。
「隠蔽」の例文2
「事実を隠蔽したところで、辻褄が合わないのでばれている」
見られては、知られては困ることを隠すことを「隠蔽」と言います。
例文は事実を隠しても、辻褄が合っていないのでばれていると指摘しているのです。
まとめ
いかがでしたか。
「隠匿」と「隠蔽」、それぞれの言葉の意味と違いが理解できたのではないでしょうか。
違いを正しく理解して使い分けてください。