この記事では、「謀殺」と「故殺」の違いを分かりやすく説明していきます。
「謀殺」とは?
「謀殺」は、殺害に至るまでにあらかじめ御膳立てをして殺人の意志を示して対象者を殺害することです。
要は、対象を抹殺すること前提でいかに確実に対象を抹殺するかが、「謀殺」になります。
なお、「謀殺」は、殺害対象が、殺害されることを自覚していても、対象を始末した場合、「謀殺」が成り立ちます。
「故殺」とは?
「故殺」は、殺害に至るまで、とっさの判断で対象を殺害することです。
つまり、故意で対象を抹殺するのですが、御膳立てをしておらず、その場の感情や雰囲気で対象を抹殺するのが、「故殺」です。
よって、「故殺」は、何も考えずに感情に流されて対象を抹殺し、計画性はありません。
「謀殺」と「故殺」の違い
「謀殺」と「故殺」の違いは、計画性にあります。
両者とも対象を殺害する点においては一致していますが、問題は、「謀殺」は計画性をもって確実に対象を殺害しますが、「故殺」は、計画性がなく、確実に殺害することは考えてません。
あくまで自己という形で死亡したというケースも「故殺」になるので、計画性が両者の違う点です。
「謀殺」の例文
・『この事件はどう考えても計画性があり、謀殺である』
この例は、事件が計画的で計画性のある殺人だという例です。
「謀殺」は計画性を持って殺害をすることなので、この例では、計画性がある殺人事件であるとしています。
「故殺」の例文
・『この事件は、計画性が一切感じられず、感情にまかせて相手を殺害しようとした、故殺である』
この例は、殺害しようとしたとあるように実は殺人自体は成立していません。
よって、一時の感情で対象を殺害しようと行動したのですが、対象を殺害できていません。
ただし、このケースでは、殺害しようとしている医師はみせているが故、「故殺」扱いで処理をしており、人を殺す意思はあったとしているのです。
「故殺」は、医師さえあれば、未遂でも殺人を犯そうとしたという点で十分な動機になり、殺人未遂者として扱われます。
まとめ
「謀殺」と「故殺」については、要は、人を殺害する際、考えて行動しているか否かです。
この考えて行動というのは、必ず対象を殺害し、バレずに犯行を終えるなど計画性があるかどうかを意味します。
「謀殺」は企んで対象を殺害することなので計画性がある殺人です。
無論未遂でも殺人者扱いになり、これについては、「故殺」も同様に、感情で動いて計画性が無い殺人ですが、未遂でも殺人者扱いになります。
どちらが罪が重いかという問題ですが、この問題は実は微妙で、「謀殺」は殺害する意識があるが故一見すると罪が重くなる確信犯だと思われますが、感情に動かされ殺害を企てたものが遺体をバラバラにしたり、非人道的な行動をしている場合、どちらがより酷い犯罪者になるかという問題になるので、どちらが罪が重いかは未知数です。
両方とも殺人をしていることには変わりないので罪人である点は一緒になります。