この記事では、「懸念」と「恐れ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「懸念」の意味や使い方
「懸念」の意味と使い方について紹介します。
意味
「懸念」は「けねん」と読み、意味は以下の3つです。
1つ目は「気に掛けて不安に思うこと」という意味で、将来的に起こりそうな悪いことに対して不安や怯える気持ちを表します。
2つ目は、仏教用語で「1つのことに心を集中させること」で、煩悩を取り払い悟りを開く修行をすることを表します。
3つ目は「執着すること」という意味ですが、こちらの意味で使うことはあまりありません。
使い方
「懸念」は名詞で「懸念する・した」と動詞を伴って使います。
「懸」は「心にかける」という意味で、「念」は」「気持ち・思い」「心配り」「かねてからの望み」「仏教用語で心の働き・非常に短い期間・集中や瞑想をすること」という意味です。
これらの言葉から「集中して心にかける」という意味が変化して「心配する・不安に思う」という意味で使われているのです。
現在何かに対して漠然と不安を感じているのではなく、まだ起きていない将来のことに対して心配で、それが心から離れない様子を表します。
主にトラブルや事故・災害など、悪いことに対して使います。
「恐れ」の意味や使い方
「恐れ」の意味と使い方について紹介します。
意味
「恐れ」は「おそれ」と読み、意味は以下の3つです。
1つ目は「こわいと思う気持ち」という意味で、目に見えないおそろしいものや人の力が及ばないものに対して恐怖を感じることを表します。
2つ目は「悪いことが起きるのではないかという心配」という意味で、何かに対して心配する気持ちを表します。
3つ目は「年長者や神を敬いおそれる気持ち」という意味です。
概要
「恐れ」は名詞で「恐れを抱く」「恐れがある」と動詞を伴って使い、直接動詞として使う時には「恐れる」になります。
「恐れ」は「不安や心配をする気持ちそのもの」であり、その気持ちをどうするかという言葉を伴って使われることで意味が成り立つのです。
「懸念」と「恐れ」の違い
「懸念」は、「将来起きることに対して心配すること」です。
「恐れ」は、「あるものへ心配する気持ちそのもの」です。
つまり、「恐れ」は「懸念」に含まれ、「将来起きることに対して恐れを抱くこと」という意味になるのです。
「懸念」を使った例文と意味を解釈
「大雨により大きな被害が出ることが懸念される」
大雨により、山のふもとや河川の近くに住んでいる大勢の人達が、土砂崩れや河川の決壊により被害を受ける心配があることを表しています。
「恐れ」を使った例文と意味を解釈
「これから夜にかけて大雨がふる恐れがある」
今から夜にかけて雨足が強くなり、大雨になる可能性が高いことを表しています。
まとめ
「懸念」と「恐れ」は、「全体的な心配されること」か、「直接的な気持ち」かという違いがあります。
どちらを使っても間違いではありませので、シーンにより使い分けましょう。