「黎明期」と「過渡期」の違いとは?分かりやすく解釈

「黎明期」と「過渡期」の違い言葉・カタカナ語・言語

変化や移り変わりの時期を表現する言葉に「黎明期」「過渡期」があります。

似た言葉ですが、意味の違いや使い分けを正しく説明できる人はあまりいないかもしれません。

この記事では、「黎明期」「過渡期」の違いを分かりやすく説明していきます。

「黎明期」とは?

「黎明期」とは?

「れいめいき」と読みます。

新しい文化や時代が始まろうとする、夜明けにあたる時期を意味します。

新しい技術やブームなどが起ころうとする始まりの時期のことです。

やってくる輝かしく希望のあふれる時代の始まりという、躍動的で生命力がある、ポジティブなニュアンスをもちます。

似た言葉に萌芽期があります。

「黎明期」の使い方

「黎明期」が使用される代表的な例文をみてみましょう。

・『明治時代初期の若者たちは、まさに日本という国家の「黎明期」に生きた人々でした』
・『細菌学の「黎明期」には、多くの日本人学者が活躍し、今日の私たちの医療や生活、健康に影響を与える偉大な功績を残しました』
・『いまではずいぶん大きくなったあの会社は、インターネットの黎明期に頭角をあらわしました』
・『社長は、会社の「黎明期」に営業マンとして入社してきて、大きな案件をいくつもまとめ、大変活躍したと聞きました』

「過渡期」とは?

「過渡期」とは?

「かとき」と読みます。

古い体制から新しい体制への移り変わる時期を意味します。

まさに変化が進行中である期間を表し、ある状態から新しく別の状態へ変わっていく途中の時期のことです。

「過渡期」の使い方

「過渡期」が使用される代表的な例文をみてみましょう。

・『政府の推進が功を奏し、日本はいま長年の現金払い主義からキャッシュレスへの「過渡期」の中にあります』
・『会社が新体制に変わっていく過渡期にあるので、しばらく混乱が続くと予想されています』
『国も人も「過渡期」に真の力が発揮され、成長すると考えています』

「黎明期」と「過渡期」の違い

「黎明期」と「過渡期」の違い

それでは「黎明期」「過渡期」の違いを、改めて整理してみましょう。

いずれも「変化している時期」を表している点は同じです。

しかし「黎明期」が、時代や文化など歴史に残る大きなものの変化の時期に用い、意味も暗く遅れた世界から明るく希望にあふれた時代の到来を表しているのに比べて、「過渡期」は体制など身近な変化に対して使用します。

また「過渡期」は良し悪しの意味は含まず単純に変わっている時期を意味します。

ただ実際には「過渡期」「良い方向へ進んでいる」場合に使うケースが多く、「黎明期」のように大げさな時代の変化ではないけれど、小さく前向きに改善していっている変化に「過渡期」を使うと良いでしょう。

まとめ

まとめ

この記事では「黎明期」「過渡期」の違いをみてきました。

どちらも「移り変わって変化している時期や期間」に使われる大切な言葉ですが、「歴史的な記念すべき輝かしい変化の時代」「改善、修正、調整している変化か」という違いがあります。

意味を正しく理解し使い分けるようにしましょう。