この記事では、「祭儀」と「祭祀」の違いを分かりやすく説明していきます。
儀式の違いを、正しく学んでいきましょう。
「祭儀」とは?
祭儀(さいぎ)とは、ご先祖様をおまつりする儀式のこと。
または神仏を崇めるためにおこなう宗教的な式をあらわします。
一般的には「神社にまつわるお祭り」を、祭儀と言いあらわすことが多いです。
「祭儀」を深く見ていくと「祭りと儀式」という言葉が出てきます。
日本には色々な祭りがありますが、いずれも「地元の神様や祖先に、感謝の気持ちを捧げる」ために生まれたものです。
そのため八百万の神様に奉納する式典や、五穀豊穣を願った地域のお祭りも「祭儀」のひとつです。
また天皇陛下が年中行事としておこなう神嘗祭や新嘗祭も「祭儀」と呼ばれています。
神様やご先祖様に思いを寄せるのが「祭儀」です。
「祭祀」とは?
祭祀(さいし)とは、祭りのこと。
古い時代からおこなわれてきた、祭典をあらわしています。
縄文時代や弥生時代の祈祷なまじないなど、宗教的な儀式も含んでいます。
「祭祀」という熟語には「祭りと祀」という、むずかしい言葉が組み込まれています。
「祀」には「神様やご先祖を大切にする」という訳があります。
そのため姿形は見えないけれども、大切な人を敬うことが祭祀につながっていきます。
また祭祀と聞いて思い浮かぶのが「宮中祭祀」です。
宮中祭祀は、宮中における祭りごとです。
おもに皇室にゆかりのある方を祀っている「宮中三殿」で式典をおこないます。
日本人のルーツをたどり、祖先や神様を崇めるのが祭祀です。
「祭儀」と「祭祀」の違い
どちらも「祭」という言葉がはいっています。
「祭儀」と「祭祀」の違いを、分かりやすく解説します。
・祈祷の意味もある「祭祀」
「祭儀」と「祭祀」はどちらも、神々や祖先をまつる儀式という訳があります。
同じように使われていますが、縄文時代の宗教儀式を伝える際には「祭祀」が選ばれています。
そのため、はるか昔の祈祷やまじないは「祭祀」です。
一方で「祭儀」には神社でおこなう祭典という意味合いがあります。
そのため歴史ある神社では鎮座の祭儀や秋祭の祭儀など、季節の行事が開かれています。
ちなみに宮内庁では、祭儀と祭祀それぞれを明確に区別していています。
そのうち祭儀は、1年のいつ儀式をおこなうのか、細かい決まりがあります。
たとえば正月の1日におこなうのが、東西南北の神様に祈りを捧げる「四方拝」です。
そして12月31日におこなう、年末最後の儀式がお祓いの意味をもつ「大祓」です。
「祭儀」と「祭祀」は同じ意味がありますが、皇室では細かい区分けをしています。
まとめ
「祭儀」と「祭祀」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも祭典をあらわす言葉になります。
祭儀も祭祀もご先祖様や神仏に、祈りをささげる儀式のこと。
祭祀は縄文時代など、原始時代の宗教的な儀式という訳もあります。
皇室では祭儀と祭祀を細かく分けていて、多くの祭典がおこなわれています。