組織や集団で特別扱いされる人を指す言葉に「重鎮」と「幹部」があります。
このふたつはどのように違うものなのでしょうか、今回は、「重鎮」と「幹部」の違いについて解説します。
「重鎮」とは?
「重鎮」とは、「組織や集団の中で特別な存在感があり一目置かれている人」を指す言葉です。
「重鎮」というのは役割や肩書ではなく存在の重要性を意味します。
過去に大きな功績があったり高い実力を有していたりなど「組織や集団の運営に影響力を持つ人」を「重鎮」といいます。
一般的には「組織や集団の構成員であればぞんざいに扱うことが許されない人」を指し、今現在特別な地位になかったとしても上層部が軽んじることなく丁重に扱うような普通とは違う存在意義を持つ人のことを「重鎮」と表現します。
具体的な定義や基準などはありませんが一般的は経験豊富なベテランや年長者が「重鎮」として扱われることは多く、組織や集団内の立場とは無関係に敬意を払う対象として丁重な扱いを受けます。
身内だけではなく外部に対しても顔が利いたり発言力があったりすることが多く、人としての懐の深さや器の大きさなど単純な実力以外の力に秀でています。
「重鎮」の使い方
・『会社の重鎮にスピーチを依頼する』
・『あの人はあちこちに顔がきく業界の重鎮だ』
・『首相といえども与党の重鎮を無視して政策を決めることはできない』
・『漫画界の重鎮と呼ばれているが作風はとても軽妙だ』
「幹部」とは?
「幹部」とは、「組織において運営の意思決定に関わるような重要な立場もしくはそのような立場にいる人」を意味する言葉です。
組織の運営は構成員全員が関わるわけではありません。
基本的にはトップを含む上層部で話し合いなどが行われ需要な判断や運営方針が決まりますが、そのような「組織運営に関わる大きな判断に影響力を持つ立場やその立場にいる人」を指す言葉が「幹部」です。
一般企業で「幹部」という場合は役員より上の立場や各部門の責任者などを指します。
似たような表現で「管理職」という言葉もありますが管理職は上の立場としたの立場の間にたって調整する管理役であり運営の意思決定に直接的に関わることはありません。
管理職の更に上の立場に位置するのが「幹部」です。
「幹部」の使い方
・『社運をかけた東京進出計画の陣頭指揮に幹部を送り込む』
・『平社員からの叩き上げで幹部に出世した』
・『トップが優秀でも幹部が無能だと組織は立ちゆかなくなるものだ』
・『まとまらない交渉に業を煮やした幹部が自ら話し合いに臨むことになった』
「重鎮」と「幹部」の違い
「重鎮」と「幹部」の違いは「役職」です。
「重鎮」とは存在感や発言力によって決まるもので具体的な役職や立場とは無関係です。
現場で活躍する大ベテランの技術者などは役職が低くても「重鎮」として扱われます。
「幹部」は組織内で上の立場にある高い役職を指します。
その役職についていれば若くても未経験でも誰からも尊敬されていなかったとしても「幹部」です。
まとめ
「重鎮」と「幹部」は組織内での重要人物に対して使われる言葉ですが表す内容は大きく違います。
どのような人物に対して使われる言葉なのか、意味合いをきちんと理解して使いこなしてください。