「生業」と「仕事」の違いとは?分かりやすく解釈

「生業」と「仕事」の違い言葉・カタカナ語・言語

働くことを意味する言葉として「生業」「仕事」があります。

このふたつは具体的にどのような違いで区別されているのでしょうか。

今回は、「生業」「仕事」の違いについて解説します。

「生業」とは?

「生業」とは?

「生業」とは、「生きていくのに必要な金を稼ぐための労働」を意味する言葉です。

人が生きていくためには働いて生活費を稼ぐ必要があります。

「生業」が意味するのは「生活費のための労働」です。

本来の「生業」という言葉には「今日をしのぐための労働」という意味がありました。

狩りをして今日食べるための獲物をとったり山に入って今日の食事となる山菜をとったりなど「生きていくためにどうしてもやらなければいけない作業」というのが元々の意味合いです。

元々の意味から転じて現在の「生業」「生計を立てるための労働」という意味で使われています。

好きでやっているわけでも強制されているわけでもなく「生きていくの必要なお金を稼ぐ」という純粋な経済目的で行われる労働を「生業」と表現します。

「生業」の使い方

・『仕立て屋を生業にしている』
・『大工を生業にしているだけあってとても手先が器用だ』
・『生業にしていた八百屋を廃業することにした』
・『好きで小説を書いているのではなく生業で書いているだけだ』

「仕事」とは?

「仕事」とは?

「仕事」とは、「お金を稼いだり責任を果たしたりする目的で行う業務や作業」を意味する言葉です。

一般的に「仕事」という場合は「職業」を意味します。

職業についてお金を稼いで生活したり社会貢献したりすることを意味する言葉ですが、本来の「仕事」はもう少し別の意味で使われていました。

元々の「仕事」の意味は「共同体において果たさなければいけない役割」というものでした。

困っている人の面倒を見たり祭りを仕切ったりなど共同体の一員として生きていくためにはやらなければいけないことや求められる役割がたくさんあります。

そのような「お金にはならないがやらなければいけないこと」というのが本来の「仕事」の意味に当たります。

本来の意味を考えると必ずしも自分の意志ではなく金目当てでない作業が「仕事」に当たりますが、現在では経済的な収入目的も含めるのが一般的です。

「仕事」の使い方

・『生きていくために仕事を探す』
・『明日から仕事なので速く寝よう』
・『青年団の一員として村の仕事を任される』
・『仕事を見事にやり遂げて褒められた』

「生業」と「仕事」の違い

「生業」と「仕事」の違い

「生業」「仕事」の違いは「目的」です。

「生業」は生きていくためにやる作業を指す言葉でお金を目的にしています。

「仕事」は共同体の構成員としてやらなければいけない作業を指す言葉で目的は共同体への貢献です。

現在ではどちらの言葉も経済的な意味合いが強くなっているものの「生業」は食べていくためにやっていることのみを指し「仕事」は収入以外にも生きがいや社会貢献などの要素を含無という違いがあります。

まとめ

まとめ

現在では「生業」「仕事」は似たような場面で使われていますが本来の意味はまったく異なります。

何のために作業しているのか、目的に注目してどちらの言葉を使えばいいのか判断してください。