この「自費出版」と「同人誌」は、どのように違うのでしょうか。
「自費出版」とは?
「自費出版」とは、書籍として出版する為の費用を支払うこと、または、そのような書籍に使われる言葉で、「この本、売れているらしいけど、実は自費出版だって」などと用いられます。
主に新書という形での出版となり、一般的なそれと同じく、書店に配本してもらうこともできます。
その一般的な新書だと、作者は原稿だけ渡せば、後の書籍とする作業、及び書店への配本まで全てにおいて費用が掛かることはありませんが、自費出版では製本作業から書店への配本(自分で手売りするなど、これはしない場合もあります)までに掛かる費用を全て自分で負担しないといけません。
あくまで一例ですが、新書として製本するのに掛かる費用は、安い場合でも50冊で10~30万円は掛かると考えないといけません(ページ数や文字数によって上下します)。
文庫サイズのような簡易な形だと、その半分程度で済むことが多いですが、これによって利益を出すことはほぼ不可能です。
また、書店への配本も依頼した時には、その費用も上乗せされます。
「同人誌」とは?
「同人誌」とは、個人的に簡易に製作した本のことで、主に規模を問わず、何冊かは頒布(はんぷ、販売や配布のことです)された物に対して使うことが多いです。
つまり、それ1冊のみという場合にはそうとは呼ばず、何冊か同じものを作り、有償、または無償でイベントや通販などにて頒布したものが対象になると考えていいでしょう。
「自費出版」で作る書籍は、多くの場合で見た目は商業誌と同列のクオリティになるのに対し、こちらの「同人誌」は、作り方によって、ページをただホチキスで留めただけのものや、印刷所に依頼したものなど様々です。
出版社とは関係がないので、原則的に書店に並ぶことはありませんが、この「同人誌」専門の書店や、そのようなコーナーがある場合はその限りではなく、委託という形で置いてもらえることがあります。
「自費出版」と「同人誌」の違い
「自費出版」は、きちんとした書籍として完成させるのに対し、「同人誌」は、その形式を一切問わないという違いがあり、内容についても「同人誌」は、趣味性が高いものがほとんどで、無許可で版権のあるキャラクターなどが使われている場合も少なくありません(これについては、厳しく規制されている対象と、言わば黙認している場合など色々なケースがあります)。
まとめ
「自費出版」は、とても元はとれませんが、何かの記念やどうしても世に発表したいと考えて行われるものです。
「同人誌」の場合は全く違い、それだけで生活ができている専業の同人作家と呼ばれる人も少なくありません。