「拝見」と「拝読」の違いとは?分かりやすく解釈

「拝見」と「拝読」の違い言葉・カタカナ語・言語

へりくだった表現の中でも似ている言葉として「拝見」「拝読」があります。

この2つの言葉は具体的にどんな違いがあるのでしょうか。

今回は、「拝見」「拝読」の違いについて解説します。

「拝見」とは?

「拝見」とは?

「拝見」とは、「見ることをへりくだって言う表現」です。

「拝見」「見る」の謙譲語です。

謙譲語とは経緯の対象に対してへりくだって言うときに使われる敬語のことで、目上の人に対して行う自分の動作に対して用いる表現です。

「拝見」は自分が何かを見ることを敬意をこめた表現なので言葉の意味としては「見る」と同じです。

目で対象物を認識し色や形などを確かめる動作を「見る」と言います。

「見る」の表す動作範囲は非常に幅広く、目で対象物を認識する動作すべてが当てはまります。

同じ目で認識する動作でも色を見たり形を見たり絵や図形を認識したりと実際の目的な動作内容に違いはありますが動作そのものの様子は同じであり、どのような目的であっても対象物を目で認識していれば「見る」と表現されます。

「見る」の謙譲語である「拝見」目で対象物を認識する行為すべてに用いられます。

敬語なので敬意が必要なとき使われる言葉です地位の高い人の前で物品を見たり本人の前でなくても自筆の絵画など敬意を払うべき人に関係のある対象物を見るときに「拝見」と表現します。

「拝見」の使い方

・『先生の主演作品を拝見しました』
・『本日は拝見出来てとても嬉しく思います』
・『持参していただいた履歴書を拝見します』
・『先ほどのパンフレットをもう一度拝見してもよろしいでしょうか』

「拝読」とは?

「拝読」とは?

「拝読」とは、「読むことをへりくだって言う表現」です。

文字を目で見て内容を認識する行為が「読む」です。

「拝読」「読む」の謙譲語であり意味は全く同じです。

京表現を使うべき場面でのみ使われる言葉なので「敬意を払うべき相手の前で読む」場合や「敬意の対象となる人物が書いたものを読む」場合に用います。

「読む」行為そのものに敬意が込められた表現なので「つつしんで読む」ことを意味します。

目上の人や立場が上の人、尊敬している人に対して用いる言葉ですが丁寧な言葉遣いが求められるビジネスシーンでは来客や関係者など広い範囲に対して使われます。

「拝読」の使い方

・『先ほど贈られてきた連絡メールを拝読しました』
・『先生の新刊を先日拝読いたしました』
・『ご提案いただいた企画書を拝読したのですが、わからない点について質問させてください』
・『拝読した企画書の件でご相談したいことがあります』

「拝見」と「拝読」の違い

「拝見」と「拝読」の違い

「拝見」「拝読」の違いは「文字」です。

どちらも敬意が込められた謙譲表現であることは共通していますが「拝見」が対象物を目で見る行為全般を表すのに対し、「拝読」は目で文字を見て内容を理解する行為のみを指します。

目で対象物を認識していれば「拝見」、対象物が文字で内容を理解していれば「拝読」という違いがあります。

まとめ

まとめ

「拝見」「拝読」は動作そのものはとても良く似ていますが具体的な動作の目的が違います。

目で何を見ているのかに注目してふさわしい表現を用いてください。