この記事では、「躊躇」と「躊躇う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「躊躇」とは?
あれこれと考えてどうしようか決断がつかないことです。
すぐにパッと決めてしまうのとは対照的なさまです。
昆虫を食べてくださいと言われても、すぐに「はい、そうですか」といってパクッと口にできる人は少ないでしょう。
ハチの子の姿がそのままのものを目の前に出されたら、口にすることを少し考えるはずです。
「食べても大丈夫だろうか」「気持ち悪い」「おいしいのだろうか」などいろいろと考えると思います。
そして、食べるという決断をなかなか出すことができないのです。
この場合は「昆虫を食べることを躊躇する」といいます。
今度は捨てられてい子犬のことで説明をします。
動物が好きな人なら、捨てられている子犬を見て「飼ってあげたい」と思うことがあるでしょう。
しかし、その場で「飼う」と決断することはできず、「飼育費用は大丈夫だろうか」「散歩に連れていけるだろうか」など考えて、今すぐに家に持って帰ることはしないはずです。
あれこれ考えて迷ってしまうのです。
この場合は「犬の飼育を躊躇する」などといいます。
「躊躇」の使い方
あれこれ考えてすぐに決断できないさまを指して使用をします。
決断する場面で使うことが多いです。
「躊躇う」とは?
「躊躇う」には3つの意味があります。
1つめは、あれこれと考えてすぐには決断できないです。
さんまの漁獲量が減少をして、価格が上がっています。
秋にはさんまを食べたいと考える人は少なくありませんが、価格が高いと購入を考えてしまうことでしょう。
以前は一尾100円だったものが、漁獲量の減少によって一尾300円で売られていたら、「食べたいけれどこの価格では」と考えて、すぐには手が出ないと思います。
あれこれと悩んでしまうのです。
この場合は「購入を躊躇う」といいます。
2つめの意味は心を鎮める、病気の勢いを押さえつけるです。
3つめは、すぐには決断できなくてぐずぐずして、一か所をぶらぶらするです。
うろつくといった意味になります。
「躊躇う」の使い方
3つの意味がありますが、あれこれ考えてすぐに決断できないという意味で使用することが多いです。
「躊躇」と「躊躇う」の違い
「躊躇」と同じ漢字を使用していますが、「ちゅうちょ」「ためらう」と読み方は異なります。
2つの言葉の意味は同じで、あれこれ考えてすぐに決断できないことをいいます。
「躊躇う」には、心を鎮める、うろつくという意味もあります。
「躊躇」の例文
・『躊躇することなく口にする』
・『一瞬躊躇した』
・『はじめてのことなので躊躇する』
・『大きな木の伐採を躊躇する』
「躊躇う」の例文
・『躊躇うことなく手に取る』
・『夜の外出を躊躇う』
・『躊躇う理由はない』
・『なぜ躊躇うのですか』
まとめ
どちらの言葉にも、あれこれ考えてすぐに決断できないという意味があり、同じことを指しています。