この記事では、「重傷」と「致命傷」の違いを分かりやすく説明していきます。
「重傷」とは?
程度がはなはだしいほどの傷という意味です。
程度がはなはだしいとは、具体的にどれくらいなのかはっきりと示すことはできませんが、放置していても治るようなものは、この言葉が意味するものではありません。
転ぶとすり傷ができます。
傷口を洗って放置しておくだけでも、すり傷は自然に治ってしまいます。
これは、程度がそれほど重くはない傷です。
交通事故によって傷を負った場合は、1か月以上の治療を必要とするものが、この言葉が指すものになります。
骨折をすると治るまでに1か月以上かかることがあります。
交通事故にあっても、軽いすり傷程度ならすぐに治ってしまいます。
この言葉は傷を指しており、病気のことではありません。
糖尿病、骨粗しょう症、がんなどのことではないのです。
がんが進行すると重い状態になり、1か月以上の治療を必要としますが、これは傷ではないので「重傷」とはいいません。
「重傷」の使い方
程度がはなはだしい傷という意味で使用をします。
放置しておいても治るような軽いものや、傷ではない病気には使用しません。
「致命傷」とは?
「致命傷」には2つの意味があります。
ひとつは、死の原因となるような程度のはなはだしい傷です。
すり傷のような放置しておいても治るようなものは、この言葉が意味するものではありません。
落馬をしたとします。
スピードが出ているときに落馬をしたため、地面に強く叩きつけられてしまいました。
その衝撃で骨折をしました。
肋骨が折れていて、あと少しで心臓に骨が突き刺さるところでした。
もう少しで命が危ないところだったのです。
命は助かったものの、骨折が治るまでには1か月以上かかると診断されました。
このような、命にかかわるような重い傷を意味する言葉です。
もう一つの意味は、程度のはなはだしい被害・損害、思いがけないことによる心の損害です。
物質的なことも、精神的なことも指します。
音楽家にとって聴覚は非常に大切なものです。
聴覚を失ってしまったら、音楽家としてやっていくことに大きな打撃があります。
そういった精神的なことも意味する言葉です。
「致命傷」の使い方
物理的な大きな傷や、精神的な打撃を指して使用する言葉です。
「重傷」と「致命傷」の違い
程度がはなはだしい傷という意味が似ていますが、「致命傷」には命にかかわるようなという意味も含まれています。
また、「致命傷」には精神的な打撃の意味もあります。
「重傷」の例文
・『重傷者は2名』
・『重傷から回復する』
・『救急車で搬送されて重傷と診断される』
「致命傷」の例文
・『その発言が致命傷となった』
・『致命傷となるような攻撃』
・『致命傷にはならなかった』
まとめ
程度のはなはだしい傷という意味が似ていますが、「致命傷」には命にかかわるようなという意味が含まれている点が、「重傷」とは異なります。