この記事では、「妥結」と「締結」の違いを分かりやすく説明していきます。
分かりにくい熟語を、正しく学んでいきましょう。
「妥結」とは?
妥結(だけつ)とは、約束を取りまとめること。
お互いが歩み寄って、妥協点を探っていくシーンで使っています。
国と国の交渉など「話し合いの場」で、用いられている表現です。
「妥結」という熟語を分解してみると「妥」と「結」に分かれます。
「妥」には「ゆずり合う」という訳があります。
そして「結」には「約束をむすぶ」という意味が込められています。
難航していた交渉をひとつにまとめるために、落とし所を探っていくのが「妥結」です。
お互いの折衷案を見つけること、歩み寄ることが「妥結」になります。
「締結」とは?
締結(ていけつ)とは、契約や約束を取り交わすこと。
互いに握手して、条約などをとり結ぶ作業をいいます。
企業が他社と販売契約をおこなうとき、選手とチームが選手契約を結ぶときに締結は用いられています。
そもそも「締結」には「締」と「結」という漢字がふくまれています。
「締」には「しめくくる」という意味があります。
そして「結」は「約束をむすぶ」です。
そのため締結で、契約内容をお互いに理解して、同意のうえで約束を結ぶという意味になります。
「締結」とは取引に合意すること、お互いに納得して手を結ぶことです。
「妥結」と「締結」の違い
どちらも交渉時に用いられます。
「妥結」と「締結」の違いを、分かりやすく解説します。
・妥協点を見つけるのが「妥結」
「妥結」と「締結」は、どちらも交渉や契約をおこなうことです。
ただそのニュアンスが少しだけ、異なっています。
「妥結」には意見をぶつかり合わせて、お互いの着地点を探していくというニュアンスがあります。
たとえば小麦の輸入価格をめぐって、日本と海外の国が交渉を続けていたとします。
お互いの利益が絡んでいて一歩も譲りたくないときに、すり合わせをおこなうのが「妥結」になります。
一方で「締結」には、円満に取り決めをおこなうという訳があります。
お互い納得のできるシナリオがすでに見つかっていて、円満にサインをおこなうことが「締結」になります。
山あり谷ありの道があって、苦難の末に決着するのが「妥結」。
友好関係の者同士が、平穏でおだやかな契約を結ぶのが「締結」です。
ちなみに「締結」は企業と他社が、パートナー契約をおこなう際にも使われています。
まとめ
「妥結」と「締結」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも取り決めをおこなうことです。
「妥結」には「妥協する・折り合いをつける」というニュアンスがあります。
難航していた交渉が、ようやくまとまる場合に用いられます。
骨の折れるような駆け引きのあと、譲り合って見つけるのが「妥結」です。
一方で「締結」はパートナー企業同士が仲良く手を結ぶシーンなどで使われます。
平穏に契約をおこなうこと、調印することが「締結」になります。