この記事では、「惰性」と「惰力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「惰性」とは?
「惰性(だせい)」とは、「過去から現在まで続いてきた勢い・傾向・習慣(癖)」を意味しています。
「惰性」というのは、「今まで続けられてきた物事(習慣)が止まりにくい(やめにくい)性質」を示している言葉なのです。
また「惰性」の物理学用語の意味として、「外からの力が加えられなければ、静止している物体が止まっている状態を維持しようとする性質、あるいは運動している物体がそのスピードを維持しようとする性質」を挙げることができます。
物理学用語としての「惰性」は、「慣性(かんせい)」と同じ意味合いを持つ同義語として解釈されることになります。
「惰力」とは?
「惰力(だりょく)」とは、「今まで続いてきた勢いや習慣などを保とうとする力」を意味しています。
「惰力」の表現は、「過去から現在まで保たれてきた物事の勢いが変わらないようにしようとする力」といった意味を持っているのです。
「惰力」は簡単に説明すると「惰性の力」になります。
さらに「惰力」には、「昔から続けてきた習慣などの名残・影響力」といった意味合いも備わっています。
「惰性」と「惰力」の違い
「惰性」と「惰力」の違いを、分かりやすく解説します。
「惰性」と「惰力」はどちらとも、「一度ついた勢い・癖が維持されてなかなか止まらないこと」を意味している類語になりますが、「性質」と「力(他に作用する力)」のどちらの意味に重きが置かれているのかの違いがあります。
「惰性」というのは、「これまで続いてきた物事の勢いやその人の習慣が止まりにくい(なくなりにくい)性質」を意味している言葉です。
一方で、「惰力」というのは「惰性」と比較すると、「これまでの勢いが止まりにくい性質」よりも「その性質を生み出している力+惰性を維持している作用」という意味合いが強調されている違いがあります。
また「惰性」は物理学における「慣性」の同義語として扱われますが、「惰力」は「慣性」の同義語として提示されることはまずありません。
「惰性」の例文
・『惰性によって運動がなかなか止まらない現象は科学的には慣性の法則で説明されますが、通常は地面の摩擦によって惰性も失われてきます』
・『会社員時代に早寝早起きの習慣が身についていたので、今も朝5時になると惰性で自然に目が覚めるようなリズムになっています』
「惰力」の例文
・『私がプロのアスリートとして40歳近くまでやってこれたのは、努力のおかげというか努力を継続してきたことの惰力のようなものだと思います』
・『エンジン性能が極端に優れているスーパーカーだったので、急ブレーキをかけても惰力だけで300メートル以上は走行状態が続くことになったのです』
まとめ
この記事では、「惰性」と「惰力」の意味の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?「惰性」とは「それまでにあった勢い・傾向、外力が加わらなければそれまでの運動・停止の状態を維持しようとする性質」を意味していて、「惰力」は「惰性の持っている現状維持を継続させようとする方向性の力」を指している違いがあります。
「惰性」と「惰力」の違い・例文について詳しくリサーチしたいときは、この記事の内容を読んでみてください。