この記事では、「不条理」と「不合理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不条理」とは?
不条理とは、ふじょうりという読み方をする言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を目にすれば直ぐに理解可能な事ですが、~しないとか良くないといった意味を持つ不の漢字に、物事の筋道やもののことわりといった意味の条理の漢字を付け足す事で完成した言葉となっています。
だからこそ不条理は、筋道が通らない事や道理に合わない事を意味するのです。
「不条理」の使い方
不条理は、道理に合わずに納得出来ない事といった意味合いで使われる事が多い言葉となっています。
というのも筋道を意味する条理を、最初に不という言葉を用いて否定しているため、筋道が通らないとか良識に反するため理解し兼ねるといった意味を表現しているのです。
以上の事から受け入れられない、という不満の意を含んだ言葉として使用されています。
「不合理」とは?
不合理は、ふごうりという読み方をすべき言葉です。
文字で記されたこの言葉を見れば分かる事ですが、~でないや悪い等の意味を持つ不の文字に、道理にかなっているや論理的に正当であるといった意味を有する合理の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
そのため不合理は、道理や理屈にあっていないや筋の通らない事を示すのです。
「不合理」の使い方
不合理は、理屈や文字通り合理的な考えに適合していなくて矛盾している事を示す言葉として用いられています。
具体的には、その人の指示や話等が論理的な筋道として通っておらず、正に合理性を欠いている、と思われる時に、この不合理という言葉を使用するのです。
もっとも論理的な矛盾を感じさせる様な制度や、法律に対してもこの不合理という言葉が用いられる事も少なくありません。
「不条理」と「不合理」の違い
不条理と不合理の文字表記を並べて比較してみると、2文字目に条と合という明らかな漢字の違いを発見する事が出来ます。
所が他の2文字は互いに不と理で共通しており、どちらも道理や合理性を欠いていて矛盾している、といった同じ様な意味合いを表す言葉です。
なので良く似ている言葉同士であり、使い分けの際に迷ってしまう人が少なくなかったりします。
ですがこの2つの言葉は、使い所といった面で違いがあるのです。
まず不条理は、人生の意味とか価値といった哲学的な意味合いで使われる事が多い言葉です。
一方の不合理は、人間関係や制度といったより日常的な矛盾に対して主に用いられる言葉となっています。
「不条理」の例文
・『幼子を残して事故に巻き込まれて亡くなった彼の無念さを思うと、この世の不条理を感じます』
「不合理」の例文
・『残業代を一律にするといううちの会社の制度は、とても不合理です』
まとめ
2つの言葉には、不と理という同じ文字が使われており、どちらも道理に合わず矛盾している、という同じ意味合いを持つ言葉です。
なので非常にややこしいものの、2文字目に条と合という明確な違いがある事から、使われ方には相違点が見られます。
ちなみに不条理は、人生観等の哲学的な意味での矛盾を表したりする時に、主に使われる言葉です。
対する不合理は、人間関係や規則等の日常的な矛盾に際して積極的に用いられます。