身の回りの環境や空間といったことを表現する時に使う言葉として、「世間」「世の中」「社会」というものがあります。
日常会話や文章の中でよく使われるこれらの言葉には、はたしてどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「世間」と「世の中」と「社会」の違いを分かりやすく説明していきます。
「世間」【せけん】とは?
「世間」とは、自分も含め人が集まり関わり合って生活している場所、または、その場所にいる人々といった意味です。
比較的自分の「身近な場所」を表す時に使われる言葉になります。
また、場所の意味合いもありますが、その場所にいる人々ということに重きを置いた言葉でもあります。
「世間」の例文
・『いつまでも仕事もせずフラフラしていて世間体が悪い』
・『社会人としての経験が浅いのでまだまだ世間知らずだ』
「世の中」【よのなか】とは?
「世の中」とは、「世間」と意味合いは同じですが、「世間」より広い世界のことを指した言葉です。
ですから、自分とは少し離れた世界、自分との関係が薄い世界のことを表しています。
自分は遠く離れた場所からその世界のことを眺めているといったイメージです。
ですから、その場所の人々というよりは、その場所や情勢を表すことに重きを置いた言葉になります。
「世の中」の例文
・『いま世の中では、たまごっちというものが流行っているらしい』
・『大物ミュージシャンが来日したらしく、世の中騒がしい』
「社会」【しゃかい】とは?
「社会」とは、「世の中」と意味合いは似ていますが、「世の中」より広い世界を指した言葉です。
社会に出て働く、社会生活を送る、理想の社会を作るといった使われ方をしますが、「社会」の中において自分の存在はとても小さいものとなります。
ちょっとかしこまって出ていくような世界といったイメージです。
「社会」の例文
・『理想の社会を実現するために彼は立候補した』
・『社会に出て人間関係にもまれることで人は成長する』
「世間」と「世の中」と「社会」の違い
「世間」とは、「自分の身の回りや身近な場所、また、そこにいる人々」のことを表した言葉です。
自分と「世間」との距離感は近く、人との関わりといったことに重きを置いた言葉になります。
「世の中」とは、「自分との関係が薄い世界、また、そこにいる人々」のことを表した言葉です。
「世間」より広い世界を表しており、自分との距離感は遠いものとなります。
「社会」とは、「人々が生活している大きい世界」を表した言葉です。
「世の中」より広い世界を表しており、自分との距離感は遠いものとなります。
まとめ
「世間」と「世の中」と「社会」について説明しましたが、違いを認識していただけましたでしょうか。
「世間」「世の中」「社会」にはいずれも自分は含まれていますが、自分との距離感に違いがありました。
また、その言葉が指している世界の大きさに違いがありました。