この記事では、「柔軟的」と「弾力的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「柔軟的」とは?
「柔軟的(じゅうなんてき)」とは、「硬直的な対応にならずに、場面や状況に合わせたやわらかい対応をするさま」を意味しています。
「柔軟的」の表現は、「かたくなにならずに、その場の状況やニーズに合わせて判断・対処をすること」を示しているのです。
「柔軟的」という言葉には、「一つだけのやり方やスタンスにこだわらずに、その場面にもっとも適したやり方・立場を選んで用いる」といった意味のニュアンスが備わっています。
ただし「柔軟的」という言い方は一般的ではなく、「柔軟な・柔軟性」の表現のほうがよく使われています。
「弾力的」とは?
「弾力的(だんりょくてき)」とは、「外から加えられた力・圧力をはね返して元に戻ろうとするような性質があるさま」を示しています。
その意味から転じて、「弾力的」の表現は「その場のシチュエーションや必要性に合わせて柔軟に適応・対応することができるさま」といった意味合いを持っているのです。
「弾力的」というのは、「硬直的な決めつけたやり方に陥ることなく、その場の状況や相手の事情に合わせて柔軟に対処するさま」を意味している言葉になります。
例えば、「弾力的な制度設計によってより多くの市民がこの制度を利用できるようになります」などの文章で使えます。
「柔軟的」と「弾力的」の違い
「柔軟的」と「弾力的」の違いを、分かりやすく解説します。
「柔軟的」も「弾力的」も「一つのやり方・基準だけにこだわらずに、いろいろな場面や状況の変化に合わせて対応するさま」というほぼ同じ意味を持っています。
その意味で「柔軟的」と「弾力的」は同義語なのですが、「弾力的」のほうが国語辞典にも項目が記されている一般的な表現であるという違いはあります。
「柔軟的」という表現は国語辞典に記載がなく、「柔軟的思考・柔軟的方略」などの慣習的・造語的な表現で使われているという点が異なっています。
そのため、「柔軟的思考」よりも「弾力的な思考・柔軟な思考・柔軟性のある思考」のほうがより正しい言い方であるということになります。
「柔軟的」の例文
・『マクロな国家全体の問題を考えていく場合には、硬直的にならない柔軟的思考が必要になってきます』
・『柔軟的戦略を駆使することによって、敵軍にこちらの作戦を先読みされるリスクを大幅に減らすことができるのです』
「弾力的」の例文
・『少子高齢化の国難とも呼べる社会問題を解決に導くには、弾力的な政治対応や制度設計が求められます』
・『少数精鋭のベンチャー企業の強みとして、弾力的な会社経営や人事管理を行いやすいことが挙げられます』
まとめ
この記事では、「柔軟的」と「弾力的」の意味の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?「柔軟的」と「弾力的」はどちらも「その時々の状況やニーズに合わせた行動を取るさま」を意味する同義語ですが、「弾力的」のほうがより一般的でよく使われている言葉である点が違っています。
「柔軟的」と「弾力的」の違い・例文について詳しくリサーチしたい場合は、この記事の解説を読んでみてください。