「バイアウト」と「M&A」の違いとは?分かりやすく解釈

「バイアウト」と「M&A」の違い金融・経済

企業の経営状況の悪化などによって、それまでの活動に制限が出てくるような場合、まずは改善のための施策を打ちますが、これらが様々な障壁によって実施するのが困難になるときがあります。

そんなときに経営陣を刷新する目的で「バイアウト」が行われる場合があります。

それではこの「バイアウト」とはどういう意味でしょうか。

「M&A」との違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「バイアウト」「M&A」の違いを分かりやすく説明していきます。

「バイアウト」とは?

「バイアウト」とは?

「バイアウト」とは、英語の「buy out」のことで、「株式を取得することによって経営権を手に入れる」ことを言います。

「バイアウト」には、一般的には3つの種類があり、それぞれ「MBO(マネージメントバイアウト)」「EBO(エンプロイーバイアウト)」「LBO(レバレッジドバイアウト)」と言います。

MBOとは、現在の経営陣や株主がその会社の全ての株を取得することで、EBOとは、従業員が株式を取得すること、そして、LBOとは外部の会社等が金融機関から資金を調達して株式を取得することを表し、それぞれに利点や欠点があります。

「M&A」とは?

「M&A」とは?

「M&A」とは、英語の「Mergers and Acquisitions」の略で、日本語で言えば「吸収と買収」という意味になります。

一般的に使用されるときには、「企業間の経営権の移動を伴う活動」のことを指します。

したがって、「M&A」には、吸収合併、新設合併、公開買付、新株引受、バイアウト、事業譲渡などが含まれます。

買収に関しては様々な方法がありますが、大きく分けると「友好的買収」「敵対的買収」に分けることができます。

「バイアウト」と「M&A」の違い

「バイアウト」と「M&A」の違い

「バイアウト」「M&A」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉はともに「買収」という意味を含むということでは共通です。

それぞれの言葉の定義は場合によって変わってきますが、一般的な認識での「M&A」は全ての「買収」を含むので、「買収」のやり方の一つである「バイアウト」も、当然「M&A」に含まれるということになります。

整理すると、「M&A」には「合併」「買収」があり、その「買収」には「株式の取得」「事業譲渡」があり、「株式の取得」の中に「新株引受」「公開買付」「バイアウト」等があるという構成になります。

「バイアウト」の例文

「バイアウト」の例文

「バイアウト」の例文は以下のようになります。

・『バイアウトによって、現経営陣が全ての株式を取得しました』
・『バイアウトには3種類のやり方があります』

「M&A」の例文

「M&A」の例文

「M&A」の例文は以下のようになります。

・『M&Aは企業間の合併や買収のことを指します』
・『M&Aによって、今後のビジネス展開で必要となる、国際的な競争力がある企業を手に入れることができました』

まとめ

まとめ

この記事では、「バイアウト」「M&A」の違いを、解説してきました。

「バイアウト」の中でも前述のMBOは、既存の経営陣が抜本的な対策として行います。

例えば、経営が悪化した企業のトップが、MBOで株式を手に入れて、一旦上場を廃止して、自由に大きな対策を行った後に、再び上場するということは多く行われています。

この辺りは株式会社の良いところでもあり、悪いところでもありますが、やはり上場している限り勝手なことはできないという「株主への責任」は大きいでしょう。