「初戦」と「緒戦」の違いとは?分かりやすく解釈

「初戦」と「緒戦」の違い言葉・カタカナ語・言語

読みが同じで混同しやすい言葉として「初戦」「緒戦」があります。

スポーツニュースなどでよく耳にする言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「初戦」「緒戦」の違いについて解説します。

「初戦」とは?

「初戦」とは?

「初戦」とは、「最初の戦い」を意味する言葉です。

「初戦」「初」という漢字には「それより前が無い一回目」という意味があります。

「初戦」とは「前の無い一回目の戦い」を意味するものでありスポーツの試合や戦闘など「一回目の勝負」を指します。

「初戦」という言葉は比較的新しい言葉で戦前の辞書には掲載されていませんでした。

普及したのは戦後スポーツニュースの影響によるという説が有力です。

野球では同一カードで続けて対戦する試合日程が組まれますが、続けて行われる試合のうち最初の試合をマスコミが「初戦」と呼ぶようになった影響によりこの言葉が広まったとされています。

もともと「初回」「初球」など野球には初という文字がつく用語が多かったこともあってあっという間に馴染んだ「初戦」という表現はしばらくすると自書にも掲載されるようになり今では日常会話でも使われるありふれた言葉になっています。

「初戦」がどの勝負を指すのかは視点によって異なります。

試合に参加する選手にとっては自分が出場する試合が「初戦」ですが観客の視点では一日のうち複数組まれている試合のうち最初の試合や大会期間を通じて初めに行われる開幕試合「初戦」です。

どこに基準を置くかによって「初戦」も変化します。

「初戦」の使い方

・『逆転サヨナラホームランで初戦に勝利した』
・『どんなベテラン選手でも初戦は緊張するものだ』
・『後の試合のことを考えず初戦から全力で挑む』
・『初戦を落としたが残り2試合で勝てば勝ち越しになる』

「緒戦」とは?

「緒戦」とは?

「緒戦」とは、「戦いにおける始めのころ」を意味する言葉です。

「緒戦」とは「ある程度長く続く試合や戦闘のうち始まったばかりのころに行われる戦い」を指す言葉です。

「序盤の戦い」を意味する「序盤戦」とは類似表現になります。

「緒戦」というのは区切られたひとつの戦いを意味するのではなく「戦いにおける最初のころの一部分」を指します。

戦いを何度も繰り返すような場合は始まったばかりのいくつかの勝負をまとめて「緒戦」と表現しますが、基本的には独立し戦いではない前半部分に対して用いられる表現です。

「緒戦」の使い方

・『緒戦は自軍優勢で戦いが進んでいる』
・『緒戦で勝利し勢いに乗って攻めこむ戦術をとる』
・『緒戦で手こずったせいで被害が拡大してしまった』
・『圧勝できたのは緒戦だけで後は総崩れと言ってもいいほどの大敗だった』

「初戦」と「緒戦」の違い

「初戦」と「緒戦」の違い

「初戦」いくつかある戦いのうちの一番目を指すのに対し「緒戦」は続く戦いのうち序盤のころのを指します。

プロ野球のペナントレースはシーズンで約140試合を戦いますが140試合のうち「初戦」は年間の一試合目である開幕戦を指し、ペナントレース全体のはじめのころに当たる4月から5月にかけての試合全般が「緒戦」です。

まとめ

まとめ

「初戦」「緒戦」は読みも意味も似ているため混同しがちですが明確に違う意味を持つ言葉です。

誤用でもなんとなく意味が通ってしまうので注意してください。