「遺失物横領」と「占有離脱物横領」の違いとは?分かりやすく解釈

「遺失物横領」と「占有離脱物横領」の違い専門用語・業界用語

軽微な犯罪に関連する言葉に「遺失物横領」「占有離脱物横領」がありますが、どのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「遺失物横領」「占有離脱物横領」の違いについて解説します。

「遺失物横領」とは?

「遺失物横領」とは?

「遺失物横領」とは、「他人が遺失した物品を勝手に自分のものにしてしまう行為」を意味する言葉です。

「遺失物横領」「遺失物」とは「手放そうと思っていないのに人の手を離れてしまったもの」を意味します。

具体的には「落し物」「忘れ物」が遺失物の代表例です。

落し物や忘れ物は持ち主が手放そうとして離れたものではなく本来であればずっと持ち続けられていたものです。

そのような「本人の意志に基づかず手放されたものを横領する行為」「遺失物横領」と言います。

「遺失物横領」「横領」とは「自分の手に渡った他人の所有物を勝手に我がものとすること」を意味する言葉で「盗むこと」とほぼ同じ意味です。

積極的に盗みだすのではなく何らかの理由で自分の手元にわたってきたものを盗むのが「横領」です。

「遺失物横領」とは「本人の意志基づかずに手を離れ自分の手にわたってきた物品を無断で自分のものにしてしまうこと」を意味します。

落し物を届けず自分のものにしてしまう行為は「遺失物横領」の代表例です。

「遺失物横領」の使い方

・『拾ったお金を自分の財布に入れたら遺失物横領になる』
・『遺失物横領に対して罪の意識が低いのが問題だ』
・『遺失物横領を軽く考えるべきではない』
・『工学の入った財布を届け出ず自分のものにすれば遺失物横領で逮捕される可能性がある』

「占有離脱物横領」とは?

「占有離脱物横領」とは?

「占有離脱物横領」とは、「他人の占有を離れた物品を自分のものにしてしまう行為」を意味する言葉です。

「占有離脱物横領」「占有」とは「事実として支配状態にあること」を意味する法律用語です。

法的に所有していたり名義上自分のものであったりするだけではなく、道具を実際に使っていたり家に住んでいたりなど「対象物を自由に出来る状態にあること」「占有」と表現します。

「占有離脱物横領」とは「占有状態から離れた物品を占有者の許可を得ず我がものとすること」を意味します。

占有を離れるというのは所有権を持ちながら支配状態を一時的に離れることを意味する言葉です。

具体的な例としては「自転車」が挙げられます。

駐輪場に置かれた自転車は所有者の所有物ですが本人は不在なので一時的に占有から離脱した状態です。

この状態の自転車に勝手に乗って行ってしまうと「占有離脱物横領」が成立します。

「占有離脱物横領」の使い方

・『占有離脱物横領の認知件数が増加している』
・『鍵付き駐輪場が整備されたことで占有離脱物横領が激減した』
・『軽い気持ちだったとしても占有離脱物横領は立派な犯罪だ』
・『ボロボロの放置自転車でも占有離脱物横領は成立する』

「遺失物横領」と「占有離脱物横領」の違い

「遺失物横領」と「占有離脱物横領」の違い

「遺失物横領」「占有離脱物横領」の違いは「占有を離れた理由」です。

「遺失物横領」は占有者の意志によらず離れてしまった物品を横領することを意味しますが「占有離脱物横領」は占有者の意志により占有を離脱した物品が対象です。

落とした忘れたりしたものを勝手に自分のものにするのが「遺失物横領」、占有者がいないスキに自分のものにしてしまうのが「占有離脱物横領」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「遺失物横領」「占有離脱物横領」はどちらも軽犯罪としては代表的なものですが詳しい違いはあまり知られていません。

犯罪統計などには必ず登場する言葉なので具体的な意味を知っておきましょう。