この記事では、「取調べ」と「事情聴取」の違いを分かりやすく説明していきます。
「取調べ」とは?
物事の実態や動きなどをはっきりとさせるために調べることです。
特に、捜査機関が犯罪の疑いをかけられている人や、犯罪の疑いはないけれどかかわりのある人に出頭を求めて、犯罪に関する話を詳しく聞くことです。
捜査機関が詳しく話しを聞くときに、脅しをしてはいけません。
挨拶をする、話しに対してうなずく、ゆっくりと話すなど、調べられている相手が落ち着けるような対応を取ります。
正確な情報を得るために、相手が落ち着ける状態を作り、脅しはしないのです。
どういったことを聞かれるのか、どういったことが話されるのかは、そのときどきによって異なります。
「取調べ」の使い方
物事の実態をはっきりさせるために調べることを指して使用します。
特に捜査機関が行うことに使う場合が多いです。
金魚がどのようにエサを食べるのかを詳しく見ることは、金魚のエサの食べ方ということに関して、はっきりさせるために調べているといえるかもしれません。
しかし、このことには使用しない言葉です。
「事情聴取」とは?
ある事柄について、その状況に至るまでの理由や状態などを人に聞くことです。
特に犯罪捜査に関していいます。
この行為は捜査機関が出頭を求めて行われます。
話しを聞くときに脅しをしてはいけないとされています。
話しを聞く際には、挨拶をする、落ち着いた態度でいる、適度に相槌を打つなどして、相手が落ち着けるように配慮をします。
調べられている側は、萎縮をしていることがあります。
そういったときには、話しを聞き出せるように質問をするなど、捜査機関は工夫をします。
どういったことを話すのか、どういったことが聞かれるのかなどは、そのときどきによって異なります。
「事情聴取」の使い方
ある事柄について、その状況に至るまでの理由や状態などを聞くことを指して使用します。
特に捜査機関が行う行為をいいます。
自宅に帰ったら食器が割れていて、家にいた子どもになぜそうなったかを聞きました。
これは事情を聞いているのですが、このことを指しては使わないことが一般的です。
「取調べ」と「事情聴取」の違い
犯罪の疑いをかけられているものに出頭を求めて、犯罪に至るまでの理由や状況などを聞くという意味が同じです。
「取調べ」は条文の中で使われている言葉です。
「取調べ」の例文
・『取調べを受ける』
・『取調べをしているところだ』
・『現在も取調べが続いています』
・『取調べが終わった』
「事情聴取」の例文
・『事情聴取をする』
・『事情聴取を受けることになった』
・『事情聴取の後に釈放された』
・『ドラマの事情聴取をするシーン』
まとめ
2つの言葉の意味は同じで、捜査機関が行う聞き取りのことを意味しています。
条文では「取調べ」の言葉が使用されており、使われる場面に違いがあります。