みなさんは「私債権」と「公債権」というものがどのようなものなのかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「私債権」と「公債権」の違いを分かりやすく説明していきます。
「私債権」とは?
「私債権」は「しさいけん」という読み方になります。
この「私債権」とは「契約などの当事者間の合意、いわゆる私法上が原因となり、発生する債権のこと」を指してます。
「私債権」は民法、あるいは商法の規定によって1年~10年の時効期間が経過すると同時に債務者による時効の援用に基づいて消滅するもの。
しかし、援用することがない場合には消滅することがありません。
「公債権」とは?
「公債権」は「こうさいけん」という読み方になります。
この「公債権」は「地方自治法の第231条3第1項に基づいた債権のこと」を意味しています。
公法上の原因である行政庁の処分によって発生するのですが、債務者は処分に対して不服申立をすることができる点が特徴。
しかし、2年または5年の時効期間が経過することで消滅してしまうのです。
「私債権」と「公債権」の違い
ここで「私債権」と「公債権」の違いを見て行きましょう。
「私債権」の発生が私法上の原因であり、督促は時効中断。
すなわち不服申立不可となっています。
時効は1年から10年となっているのですが、一方の公債権の時効は2年または5年であり、発生は公法上の原因に基づき、督促は時効中断となっています。
「私債権」の例文
ここで「私債権」の例文を見て行くことにいたしましょう。
具体的には以下のような文章が考えられます。
・『私債権は契約などで当事者間の合意を契機に発生する債権のことですが、公債権と違い債務者が不服申立ですることができないのです』
・『私債権の具体例としては、奨学金返還金・市営住宅使用料・市営霊堂使用料などがあります』
「私債権」の解釈を理解することはかなり難しいですが、「契約等の当事者間の合意(私法上の原因)に基づき発生する債権」というポイントを押さえておくと良いでしょう。
「公債権」の例文
続いて「公債権」の例文を見て行くことにいたしましょう。
この言葉はどのような使い方があるでしょうか?
・『公債権には強制徴収公債権と非強制徴収公債権の2つのパターンがあることをご存知でしょうか?』
・『公債権の非強制徴収公債権とは、地方税の滞納処分の例によることができずに、支払督促や訴えの提起などの手続きを行った上で民事執行法による強制執行が必要な債権のことです』
「公債権」の解釈も非常に難しいのですが、「地方自治法の第231条3第1項に基づいた債権のこと」と覚えておくだけでいいかもしれません。
まとめ
ここまで「私債権」と「公債権」の意味と内容の違いを見てきました。
これらの用語は普段の生活の中で使うことはまずありませんが、どのようなものなのかを理解しておくことも知識の1つとして持っておきたいものです。