「薄茶(お薄)」と「濃茶(お濃茶)」の違いとは?分かりやすく解釈

「薄茶(お薄)」と「濃茶(お濃茶)」の違い食べ物・飲み物

「薄茶(お薄)」「濃茶(お濃茶)」はどちらも抹茶の味わい方の一種ですが、抹茶の濃度や作り方などが異なります。

この記事では、「薄茶(お薄)」「濃茶(お濃茶)」の違いを分かりやすく説明していきます。

「薄茶(お薄)」とは?

「薄茶(お薄)」とは?

「薄茶(お薄)」「うすちゃ(おうす)」と読む言葉で、「抹茶の一種」を意味し、茶道の世界では「薄茶点前」とも呼ばれています。

樹木年齢の低い木から採れた茶葉を粉末にして使用し、泡立てるように混ぜて味わいます。

抹茶の濃度が薄くさらりとしているのが特徴で、現在では抹茶と聞くと「薄茶(お薄)」をイメージする傾向があります。

「濃茶(お濃茶)」とは?

「濃茶(お濃茶)」とは?

「濃茶(お濃茶)」「こいちゃ(おこいちゃ)」と読む言葉で、「抹茶の一種」を意味し、「濃茶点前」の短縮語ともいわれています。

茶葉には樹木年齢が高い木の若芽を使用し、少ない水で練るようにして混ぜます。

名称通り抹茶の濃度が高く、味わいも濃厚です。

「薄茶(お薄)」と「濃茶(お濃茶)」の違い

「薄茶(お薄)」と「濃茶(お濃茶)」の違い

「薄茶(お薄)」「濃茶(お濃茶)」は抹茶のお手前の一種ですが、用いられる茶葉やその分量、それぞれの混ぜ方や味わう際の作法などに違いがあります。

「薄茶(お薄)」には「若い樹木から採取される茶葉」が用いられ、「一杯につき2g程度」の抹茶を60ml程度の熱湯で泡立てるように混ぜます。

シャバシャバとした薄いテクスチャーが特徴的で、「ひとりにつき一つの茶碗」で味わいます。

一方、「濃茶(お濃茶)」「古い樹木の若芽から生成される茶葉」を使用し、「一杯につき4g程度」の抹茶を40ml程度のお湯で練るように混ぜます。

抹茶の分量が多いためとろみがあり、茶席の人数分(5名程度まで)の抹茶を一つの茶碗で練って「順番に回して飲む」のが作法とされています。

また、双方に使用する茶碗や茶席の進行にも違いがあります。

茶碗について、「薄茶(お薄)」の場合は模様が入っている茶碗を使い、夏はガラス製、冬は冷めにくい深めの茶碗を使用するなどその季節に相応しい茶碗をチョイスします。

対して「濃茶(お濃茶)」は模様が入っていないシンプルで格式の高い茶碗を使い、特に「手捏ね」と呼ばれる手法で作られた楽茶碗が多用されています。

「濃茶(お濃茶)」の場合は数人で回し飲みするため、「薄茶(お薄)」よりも大きい茶碗が使われます。

茶席の進行に関しては、「薄茶(お薄)」が会話を楽しみながら和やかな雰囲気で進行される一方で、「濃茶(お濃茶)」の場合はある程度決められた問答を交わす程度で全体的に厳かな雰囲気で進められます。

まとめ

まとめ

「薄茶(お薄)」「濃茶(お濃茶)」「抹茶が薄い」「濃い」という点だけではなく、茶葉の種類や使用する茶碗、味わう際のルールなどに違いがあることが分かります。

ぜひ参考にして両者の違いを理解し、言葉のボキャブラリーだけでなく日本の伝統文化に関する知識を深めてください。