この記事では、「ビスコース」と「レーヨン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ビスコース」とは?
「ビスコース」は、自然素材で作られた合成繊維で、パルプを使用した合成繊維です。
つまり、材木のみで作られた繊維が「ビスコース」でこの繊維のつくり方は、1890年ごろに生み出されました。
仕組みについては、パルプをセルロースでつなぎ合わせて繊維にすることでシルクのような肌触りの合成繊維が作られます。
「レーヨン」とは?
「レーヨン」は、「ビスコース」のことで、もともと、「ビスコース法」という製法でパルプの合成繊維を作っていたのですが、のちに「レーヨン」と1900年代に改めたが故、名前が変化していますが、実際には、「レーヨン」とは、「ビスコース」のことです。
では、なぜ、名前が変わったかですが、商品として名前を付ける場合、「レーヨン」とつけた方が意味が通じやすく、「レーヨン」の意味が光り輝くという意味であるが故、製品名とマッチするということになりこちらが採用されました。
「ビスコース」と「レーヨン」の違い
両者の違いは、実は全く同じです。
ただ、名前が異なり、なぜ異なった名前が付いたかについては、商品として定着しやすい名前が、「レーヨン」で光り輝く繊維という意味で、「ビスコース」はラクダの毛という意味で商品名においては微妙であるというのが両者の違いです。
「ビスコース」の例文
・『ビスコースはラクダの毛のこと』
この例は、「ビスコース」と呼ばれる合成繊維は、ラクダの毛のことを指しているという例です。
ただ、このネーミングですとあまりぱっとしないのでのちにこの繊維は名前を変更しています。
「レーヨン」の例文
・『レーヨンは、光線のように輝く繊維という意味である』
「レーヨン」という繊維の意味は、光線のように光るという意味です。
英語では、rayonと記し、光線という意味があるのが、この「レーヨン」でもともとは、ラクダの毛だという「ビスコース」だったのですが、商品名としてはどうかということになり、名前が変更されたのがこの繊維です。
まとめ
「ビスコース」と「レーヨン」ですが、これは実は両方とも同じ繊維で単純に名前が異なるというだけです。
なぜそのようなことが起きたかを解説しますと、これは、需要がある国が英語の国でアメリカで大量に消費されたが故、「ビスコース」というラクダの毛というのはどうなのかなとなり、アメリカの方が名前を付けたのが「レーヨン」になり、アメリカを中心に広がったが故、「ビスコース」という呼び名は、ほんの数年で終わりを迎えたのです。
逆を返せば、大量に消費された国が「ビスコース」でオッケーを出していれば、「レーヨン」という光り輝く繊維という意味の言葉は出てこず、「ビスコース」という名前でこの繊維は呼ばれていたでしょう。
なお、この繊維は、紙なので安価でありながらも肌触りが良いという利点がある合成繊維です。