「往時」と「往年」の違いとは?分かりやすく解釈

「往時」と「往年」の違い言葉・カタカナ語・言語

時の流れを意味する「往時」「往年」には、どのような違いがあるのか。

この記事では、「往時」「往年」の違いを分かりやすく説明していきます。

「往時」とは?

「往時」とは?

「往時」の読み方は「おうじ」です。

意味は、過ぎ去った時、以前、となります。

「往時」「往」自体に、昔やかつて、以前といった意味があります。

そのうえで、「往時」には、単に過ぎ去った時といった意味だけではなく、その言葉の中に、昔を懐かしむニュアンスが含まれている点が特徴です。

若いころの活躍を懐かしむ際や青春時代の話をする際などに「往時」という言葉が適しているのです。

対義語は「近時」です。

「往時」の使い方

昔を懐かしむ際に用いられることが多い「往時」

そのため、「往時をしのぶ」「往時を思い起こさせる」「往時を語る」「往時を追慕する」などと表現されます。

「往年」とは?

「往年」とは?

「往年」の読み方は「おうねん」です。

意味は、過ぎ去った年、昔、となります。

「往年」「往」自体に、昔やかつて、以前といった意味があります。

「往年」の場合、単に過ぎ去った年といった意味だけではなく、その時代の思い出が込められている場合やある一時代といった意味が込められています。

「往年」の使い方

ある一時代や特に思い出のある時代を表現する際に用いられることが多い「往年」

昔、一時代を制したスターのことを「往年のスター」と表現するほか、昔活躍していたアイドルなど応援していた人を「往年のファン」と表現します。

また、過去に仲良くしていた人のことを「往年の友達」とも表現します。

「往時」と「往年」の違い

「往時」と「往年」の違い

「往時」「往年」も、過ぎ去った時や年を意味し、この意味ではほぼ同じ意味を持つ言葉です。

そのうえで、それぞれに対し異なったニュアンスが含まれており、その点に違いがあります。

「往時」には、昔を懐かしむニュアンスが含まれ、「往年」には、その時代の思い出が込められている場合やある一時代といった意味が込められています。

このニュアンスの違いによって、それぞれに異なった使い方を行う言葉となります。

「往時」の例文

「往時」の例文

・『子供の頃に暮らしていた町を訪れ、往時をしのぶ』
・『亡くなった父のアルバムには、往時の若々しい姿が残っていました』
・『年を取ると、往時を回想するだけで胸がいっぱいになります』
・『なんとか、震災の被害に遭った場所を往時のように復興したい』

「往年」の例文

「往年」の例文

・『往年の友達に会うと、すぐに子供の頃に戻ることができるような気がします』
・『母は、今でも青春時代の往年のスターにぞっこんです』
・『昔、音楽活動をしていた父は、今でも往年のファンを大切にしています』
・『母は有名人だと興奮しているが、私は、往年のスターと呼ばれる人に興味はありません』

まとめ

まとめ

以上のように、「往時」「往年」の違いは、それぞれの言葉に含まれるニュアンスの違いにあります。

そのことを踏まえ、それぞれ、適した使い分けを行います。