日本語には、同じ読み方をする同音異義語がいくつもあります。
その中に「粗い」と「荒い」という言葉がありますが、これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、これらの言葉にフォーカスして考察していくことにします。
「粗い」の意味や使い方
「粗い」は「バラバラやザラザラな感じで細かくない」、「隙間が大きい」、「粒が大きくしている」、「手触りが滑めらかではなくスベスベの状態ではない」という意味があります。
「キメの粗い肌」という使い方をしています。
また、ここから転じて「粗雑で、大ざっぱ」や「大まかなさま」という解釈もでき、「経費を粗く見積もる」というような使い方もできます。
「荒い」の意味や使い方
「荒い」は「動きが大きく激しい」という意味の他に「性格や言動に優しさが見られず粗暴で激しい」ということを指していることもあります。
このことから「気性の荒い人」や「呼吸が荒く乱れている」という使い方をすることができます。
また、このよう言葉から「けじめがない」、「度を越している」という意味になることもあり、「金遣いが荒い」という使い方をするような使い方を見ることもできます。
「粗い」と「荒い」の違い
「粗い」は「細やかでなく、おおざっぱである」という意味になり、「荒い」は「動きが激しい」という解釈ができるので、動きが激しくて抑えがきかなくて、何処か乱暴的な状態とも言えるでしょう。
また、人や物の動きを表現する場合に「荒い」を使い、人や物の状態において「粗い」を使う点でも相違点を見ることができます。
「粗い」を使った例文と意味を解釈
「粗い」を使った例文を挙げてみると、「表現が粗くて、いい評価を与えることができない」というような使い方ができます。
物事の状態が「粗削り」ということになります。
この例文では、「芸術作品でもまだその出来映えがザックリとしており、粗いために、高い評価をすることができない」ということを言っています。
「荒い」を使った例文と意味を解釈
「荒い」を含んだ例文を挙げてみると、「荒れ果てた土地を豊かにするためには、かなりの年月を要する」というような使い方ができるでしょう。
「荒れ果てた大地を耕し整えるためには、多くの労力が必要となり、かなりの時間が必要だ」ということを示しています。
人の根気強い努力が求められてきます。
まとめ
「粗い」と「荒い」という言葉の意味や使い方を1つひとつ見てきましたが、それぞれの使い方を理解することはできたでしょうか?
このような同音異義語は、意味が近いようで、かなり性質が異なって来るので、使い分けがとても難しくなってきます。
「性格が粗い」と言うと、「粗暴な性格の人」ということを指していますが、「荒い」に置き換えると、「激しい動きをする人」という理解になってきます。
このように使い方次第で、全く異なるニュアンスになるので、言葉の正しい理解が大切になってきます。