缶入りドリンクの容器には「アルミ缶」と「スチール缶」がありますが、この2つの缶にはどんな違いがあるのでしょうか。
今回は、「アルミ缶」と「スチール缶」の違いについて解説します。
「アルミ缶」とは?
「アルミ缶」とは、「アルミニウムで作られた金属製の保存容器」を意味する言葉です。
軽量で丈夫なアルミニウムは容器として使用すると内部をしっかりと保護しながら重量を抑えられるので輸送に強く、食料や飲料の保存容器として優れた効果を発揮します。
そのようなアルミニウム製の容器のうち「内部を密封し長期間保存を可能にするアルミニウムで作られた保存容器」が「アルミ缶」です。
「アルミ缶」は薄くても十分な強度が確保できることから重量を軽減し輸送負担軽減をめざす飲料用の容器にピッタリです。
金属でありながら錆びる心配がなく長期間保存しても内部に貯蔵された食品や飲料を変質させない安定性の高さも大きなメリットです。
開発当初は薄さによる強度低下を補うため内部からの圧力で容器全体を支えられる炭酸飲料に広く使用されてきた「アルミ缶」ですが、現在では技術革新により炭酸飲料以外にもさまざまな飲料、食品用の容器として使用されています。
保存容器としては十分な強度ですが使用後は軽くて薄いので潰しやすくゴミの量を減らせるというメリットもあります。
アルミは再利用が容易な金属なので「アルミ缶」も積極的にリサイクルされています。
資源不足のとき「アルミ缶」の価格が高騰してしまい回収に出された缶が大量に窃盗されるという事件も発生しました。
丈夫で長持ちするのが「アルミ缶」のメリットですが放置しても自然分解されないというデメリットもあります。
リサイクルしやすい素材なので適切に循環し再利用が行われればアルミニウム資源の浪費を押さえることが可能です。
「アルミ缶」の使い方
・『アルミ缶を回収する』
・『アルミ缶は中を洗い踏みつぶし小さくしてからリサイクルに出す』
・『素手でアルミ缶を握りつぶす』
・『コーヒー飲料もアルミ缶で販売されている』
「スチール缶」とは?
「スチール缶」とは、「鉄で作られた金属製の保存容器」を意味する言葉です。
スチールとはいわゆる鉄材全般を指す言葉です。
「スチール缶」という場合は「原料に鉄や鉄を含む合金を用いて作られた缶」を指します。
強度に優れ熱伝導性も高いスチールは最も普及している金属材料です。
埋蔵量も鉄が最も多く、全ての金属は鉄か鉄以外の非鉄金属化に二分されるほど用途も量も圧倒的な存在です。
ありふれた鉄を使って作られる「スチール缶」は材料調達コストを安く抑えられるのがメリットです。
供給量が安定し入手も用意なので使い終わったら捨てる金属容器に使ってもまったく問題ありません。
コスト面で非常に優秀だった「スチール缶」は金属容器の主流になり広く使用されています。
容器単体で強度が確保できるので内容物の種類を問わずに使えルのもメリットのひとつです。
飲料用ではコーヒーやお茶など炭酸による内圧が期待できない飲料に使用されています。
コスト面ではメリットが大きい「スチール缶」ですが鉄剤ゆえのデメリットも存在します。
強度を確保するためにはある程度の厚みを持たせる必用があることから軽量化には不向きです。
容器そのものが重くなりがちなので輸送コストがかさんでしまいます。
材料の厚みにより固く丈夫ですがそれゆえに使用後に潰すのに苦労します。
処理されていない鉄は非常に錆びやすく長期保存には不向きというデメリットも有ります。
合金化や表面処理により錆び対策が行われますが傷ついたりへこんだりするとそこから錆が広がってしまうことがあるので注意が必要です。
「スチール缶」の使い方
・『コーヒーのスチール缶をゴミ箱に捨てる』
・『スチール缶専用の回収ボックスを設置する
・『スチール缶を踏みつぶすのは簡単ではない』
・『放置していたスチール缶が錆びてきた』
「アルミ缶」と「スチール缶」の違い
「アルミ缶」と「スチール缶」の違いは「素材」です。
アルミ素材が「アルミ缶」でスチール素材が「スチール缶」ですが強度や価格、保存性など素材の差に由来する違いもいろいろあります。
回収所で雑多な感涙を分別する場合は磁石につかないのが「アルミ缶」、くっつくのが「スチール缶」という電磁石を使ったやり方で分別しています。
まとめ
リサイクルに参加するなら「アルミ缶」と「スチール缶」の知識は必須です。
同じ缶だからといってごっちゃにしてしまうとリサイクルに支障をきたしてしまいます。
それぞれの特徴を知り正しい手順でリサイクルしてください。