昔風のものを指す言葉に「レトロ」と「クラシック」がありますが具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「レトロ」と「クラシック」の違いについて解説します。
「レトロ」とは?
「レトロ」とは、「懐古趣味」を意味する言葉です。
「古さの中に価値を見出し好むこと」を「レトロ」といいます。
一般的には新しいもののほうが優れているという価値観が主流ですが、そのような主流の考え方に反し「古いものや過去のものを評価し愛好する考え」が「レトロ」という言葉が意味する内容です。
時代とともに失われてしまったデザインやセンスなど現代的な価値観からすれば古臭いと切り捨てられてしまうようなものをあえて購入したり使ったりすることを「レトロ」と表現します。
「レトロ」が対象とするのはデザインやセンスなど文化や風俗の根底に流れる思想や価値観であり古い物そのものだけではありません。
昔使われていた家具や家電そのものを好むのも「レトロ」ですが、昔風のデザインを取り入れて最新技術で作られた新しい製品なども「レトロ」に含まれます。
「レトロ」とは物質的な古さではなく時代的な考え方としての古さを指す言葉です。
現代では失われてしまった考え方やセンスなどを指して「レトロ」と表現することもあります。
60年代から70年代にかけて想像されていた21世紀の姿はエアカーが走っていたり銀色のつなぎが普段着だったりなど21世紀を迎えた現代の感覚からすると随分古く懐かしいイメージですが、そのようなかつて想像されていた未来を指す言葉として「レトロフューチャー」という言葉があります。
このように「レトロ」という言葉は昔の考え方や価値観などある時代特有の古さを表します。
「レトロ」の使い方
・『レトロなデザインの建築物を見学する』
・『レトロな雰囲気が漂う喫茶店』
・『平静初期は既にレトロ扱いされている』
・『レトロブームの影響で復刻デザインが流行している』
「クラシック」とは?
「クラシック」とは、「伝統的で格式があること」を意味する言葉です。
「クラシック」ということばには「正統」という要素が含まれています。
古くからあり現代にも受け継がれている正統性のあるものを指して「クラシック」と表現します。
ただ古いだけ、時を重ねているだけでなくそのような様式やスタイルが正統的であり世間一般から一流であるという評価が定まっているものに対し「クラシック」という表現が用いられます。
現代では一流や最高級という意味合いは薄れていますが伝統的かつ正統なものに対して使われる点に違いはありません。
時代を重ねていても正統ではないものや傍流のものに対して「クラシック」という表現は用いられません。
「クラシック」の使い方
・『クラシックスタイルの服装ででかける』
・『ロビーのインテリアにクラシックデザインを採用する』
・『クラシックな車を集めたイベントが開催された』
・『クラシック音楽を鑑賞する』
「レトロ」と「クラシック」の違い
「レトロ」と「クラシック」の違いは「評価基準」です。
「レトロ」が古さを再評価して価値を見出しているのに対し、「クラシック」は時代を超えて通じる伝統や価値を表します。
時代とともに失われた価値があらためて見直されたのが「レトロ」、時代が移り変わっても変わらない正統的な価値が認められているのが「クラシック」という違いで区別されています。
まとめ
「レトロ」と「クラシック」はどちらも古いものに対して使われる表現ですが意味合いは大きく異なります。
価値基準をどこに置くのかに注意してふたつの言葉を使い分けてください。