「一線を画す」と「一線を引く」の違いとは?分かりやすく解釈

「一線を画す」と「一線を引く」の違い言葉・カタカナ語・言語

よく似た意味の言葉に「一線を画す」「一線を引く」がありますが、このふたつの言葉はどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「一線を画す」「一線を引く」の違いについて解説します。

「一線を画す」とは?

「一線を画す」とは?

「一線を画す」とは、「はっきりとした違いがあること」という意味の言葉です。

似たように見える物や同列として扱われがちな物であっても実際にははっきりとした違いがあり区切りが明確であるときに使われる表現が「一線を画す」です。

「一線を画す」「一線」とは「こちらとあちらを区切る境界線」を意味しており「境界線を境に明確に違いがある様子」を示しています。

一般的には混同されがちな物や比較される物など一緒くたにして扱われがちな物に対して使われることが多い表現で「同じように見えてもはっきりとした違いがあること」を強調するときに用いられます。

「一線を画す」には「際立った違いがあること」という意味もあります。

誰の目から見ても明らかな違いが「一線」であり、他よりも格別に優れていたり際立って優秀だったりといったポジティブな違いがあるときに使われる表現です。

大きさや量など定量的な違いや出来栄えなど「はっきりとした違いがあり他の物と一緒にすべきではない」という距離感があるという意味合も含んでいます。

「一線を画す」の使い方

・『他の選手とは一線を画す演技で圧勝した』
・『この店の料理はただの寿司屋とは一線を画す個性が魅力だ』
・『ただの物知りとは一線を画す知識量が自慢である』
・『交渉の余地があるという点において反対派とは一線を画す人物』

「一線を引く」とは?

「一線を引く」とは?

「一線を引く」とは、「人間関係において一定の距離を取ること」を意味する言葉です。

「人間関係にこれ以上踏み込ませないというラインを引き適度な距離を保とうとすること」「一線を引く」と表現します。

この場合の「一線」が表すのは「心理的な立入禁止ライン」です。

人の関係において心理的な距離というのは重要な要素です。

心の距離が近づく頃で腹を割って話しあえたり打ち解けたりといったポジティブな効果がある一方、ふれられたくないことがあるときや付き合いを控えたいときなどズケズケと他人に踏み入ってほしくないという場合も少なくありません。

「心理的に踏み入ってほしくない人が来れ以上超えてほしくないという心理的な立入禁止ラインを設けそれ以上の関係性を望まない振る舞いをすること」「一線を引く」です。

物理的な行動を指す場合にも使われる言葉で「仕事上の付き合いはするがプライベートでは付き合わない」「どんなに親しくなってもお金の貸し借りはしない」など人付き合いの上での明確なき順を設けることも「一線を引く」と表現します。

「一線を引く」の使い方

・『親しくなり過ぎないように一線を引いて付き合う』
・『仕事とプライベートで一線を引く』
・『一線を引くことで程よい距離感を保つ』
・『一線を引くのは今の良い関係を崩したくないからだ』

「一線を画す」と「一線を引く」の違い

「一線を画す」と「一線を引く」の違い

「一線を画す」は客観的に見て明確な違いがある様子指すのに対し「一線を引く」は自分の意志で距離を置くことを意味します。

結果として違いや区切りがあるのが「一線を画す」、明確な目的があって違いや区切りをつけるのが「一線を引く」という違いで使い分けられます。

まとめ

まとめ

「一線を画す」「一線を引く」は似たような言葉ですが明確な違いがあります。

結果として区切りがあるのかそれとも意図的に区切りをつけているのかに注意してふさわしい表現を用いてください。