この記事では、「応益負担」と「応能負担」の違いを分かりやすく説明していきます。
「応益負担」とは?
応益負担とは、おうえきふたんという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、各々が受け取っている利益の程度に応じるといった意味の応益の漢字に、荷物を肩や背に担ぐ事を意味する負担の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ応益負担は、自分が受けた利益に応じたもの負担するという意味を表すのです。
「応益負担」の使い方
応益負担は、取得に関係なくサービス等の自分が受けた利益に応じて負担するという意味を表現する言葉となっています。
例えば健康保険がこの応益負担にあたり、高齢者を除き高所得者でも低所得者でも医療費の3割を支払う事になっているのです。
同様に介護サービスの利用料金に関しても、収入に無関係で負担割合が一定になっているので、応益負担に含める事が出来ます。
他にも消費税も所得により税率が変化する訳ではないので、応益負担という事になるのです。
「応能負担」とは?
応能負担は、おうのうふたんという読み方をする言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を目にすれば分かる事ですが、各自が持つ能力の程度に応じるといった意味を持っている応能の文字に、責任や義務を引き受けるといった意味を有する負担の文字を加える事で誕生した言葉です。
そのため応能負担は、各自の能力に応じる形で負担する事を示します。
「応能負担」の使い方
応能負担は、各々が持つ能力、特に所得に応じた負担を表現する言葉として用いられているのです。
具体的に言えば、所得の大小により税率が変化する所得税がこの応能負担による考え方が使われています。
更に保険料等も収入に応じて上がったりするため、応能負担の考え方が組み込まれていたりするのです。
「応益負担」と「応能負担」の違い
応益負担と応能負担の文字表記を並べて見比べてみれば、2文字目に益と能の漢字の違いに直ぐに気付く事が出来ます。
所が他の3文字は全く同じ漢字が使用されているため、かなり似通った印象を受ける組み合わせの言葉であるのは間違いありません。
ただし2文字目が違う事で、持つ意味合い自体には相違点が生まれているのです。
まず応益負担は、その人の所得や能力に関係なく、受ける利益に応じた負担を行うという考え方となっています。
一方の応能負担は、その人が持つ能力、特に収入面に応じる形で負担するという考え方を表す言葉です。
まとめ
2つの言葉は、4文字中3文字の漢字が同じというかなり似た所がある言葉同士となっています。
ただし2文字目の益と能という漢字の違いにより、表現する意味には明確な違いが生じているのです。
ちなみに応益負担は、各自の収入や能力には関係なく、その人物が受ける利益に応じたものを負担するという考え方を表す言葉となっています。
対する応能負担は、主に収入面といった各自の能力に応じて、負担するという考え方を示す言葉として用いられているのです。