昔から続く王族や皇族の地位を説明する言葉は存在していますが、混同しやすいものがあります。
今回はその中の2つをご紹介します。
この記事では「王妃」と「皇后」の違いを分かりやすく説明していきます。
「王妃」とは
これは『王の称号をもつものの配偶者』を表す言葉です。
ポイントは『王』にあります。
そもそも『王』とは一国の最高主権者のことを指します。
つまり国民および領土を統治する国家としての権力を有する人物ということです。
英語では『King』(キング)と言いますが、これは『Kin』(高貴な生まれ)と『ing』が一緒になり、『高貴な生まれの人』という意味になったとされています。
『王妃』は英語で『Queen』(クイーン)ですが、これは古英語で『cwen』(女性、妻)という意味を表す言葉から来ています。
現在、我々の国は『国民主権』なので我々一人ひとりが主権を持っているという形を取っていますが、昔は違いました。
例えば、江戸時代は徳川家が将軍として君臨していましたが、これはある意味で『王』ともいうことができます。
実際に日本を統治していたのは徳川家です。
なぜ彼らが『王』ではなく『将軍』という形を取っていたのかは所説ありますが、自らを『天皇』よりもへり下った地位に置き、実質的な権限を行使するのが都合がよかったからという考えもあるそうです。
『王妃』とはこの様に国の最高主権者が結婚した相手ですので、当然地位は他の人間よりも高いです。
『王妃』自体に権力を行使する権限があるかはその時々の『王』の裁量やルールによります。
「皇后」とは
これは『皇帝の称号をもつものの配偶者』を指す言葉です。
これもまずは『皇帝』の意味を知る必要があります。
これは『王のひとつ上の称号で、自国以外にも統治権を持つもの』を表しています。
過去のヨーロッパやアジアの『皇帝』は自分の住んでいる国以外にも他の国や場所を統治しているケースがよくありました。
例えばローマ帝国はローマだけでなく、ヨーロッパ全体にその権力を行使していましたし、元寇で有名なモンゴル帝国もモンゴルだけでなく、モスクワ大公国などを滅ぼし自分達の統治下においていました。
日本も実はこのような時代が存在しており、第二次世界大戦前はアジアを統治下に置いていました。
この様な政策を『帝国主義』と言います。
そのトップに立つのが『皇帝』であり、その配偶者が『皇后』なのです。
ちなみに『皇帝』は英語で『Emperor』(エンペラー)で『Em』(中に)と『per』(命令する)と『or』(人)が一緒になり、『国内外に命令する人』という意味になります。
『皇后』は『Empress』(エンプレス)で『Emper』という『中に命令する』意味に『ess』という(女性)が付いたものになっています。
「王妃」と「皇后」の違い
単に『王の配偶者』か『皇帝の配偶者』かという違いがあり、地異的には『王妃』の上が『皇后』という見方はありますが、別の側面もあります。
それは『王』と『王妃』は現在も存在していますが、『皇帝』と『皇后』は実は日本以外では存在していません。
日本は『天皇』という存在がありますが、これは『王』よりも上の地位にある『皇帝』と同じであり、現時点で世界に『皇帝』を国家元首としておいている国は日本以外にありません。
我々の認識では『総理大臣』が代表かと考えがちですが、この地位も選挙を経て『天皇』から承るのです。
まとめ
如何でしたでしょうか。
同じ『配偶者』であってもその相手が『王』か『皇帝』かで大きく変わるのが『王妃』と『皇后』でした。
これ以外にも貴族や王族のランクを表したものは多くありますので、是非調べてみてください。