同じ読み方でも間違って用いてはいけない「年次」と「年時」。
この記事では、「年次」と「年時」の違いを分かりやすく説明していきます。
「年次」とは?
「年次」には、「次」という漢字が用いられています。
「年の次」。
つまり、1年ごと、毎年、といった意味となります。
また、「年次」には、年齢の順番といった意味もあります。
この「年次」の場合、必ず4月。
つまり、新年度からの1年間を指すものとなります。
1月でも自分の生まれたときでもありません。
国内共通の単位として必ず4月からの1年間となります。
「年次」の使い方
「年次」を用いた言葉はたくさんあります。
その年度の計画を表す「年次計画」。
その年度の予算を表す「年次予算」。
卒業した年のことを「卒業年次」というほか、入学した年のことは「入学年次」となります。
「年時」とは?
「年時」には、「時」という漢字が用いられています。
「年や時」と解釈するとかわりやすく、各自が特定した年や時。
つまり、年や月、日時、を意味する言葉となります。
この「年時」の場合、必ず4月から始める必要も1月から始める必要もありません。
各自で始まりと示す年や月が「年時」となります。
何かを行った年月、何かがスタートした年月などを「年時」とすること可能です。
「年時」の使い方
国内で共通しているものではないため、主に個人的な物事に対し用いられる「年時」。
例えば、「高校三年時」と表現する場合、4月から翌年の3月末までの1年間を表すのではなく、高校3年生の時の思い出などを表すものとなります。
「年次」と「年時」の違い
「年次」と「年時」の大きな違いは、その年月の基準の違いです。
「年次」の場合、必ず4月から始まり翌年の3月末までの1年間を表します。
そのため、共通した1年間を表すことが可能です。
それに対し、「年時」には基準がありません。
各自の基準で決めることが可能です。
そのため、共通して使用することができず、主に「年時」は思い出話や昔の話をする際に曖昧な形として用いられることが多い言葉となります。
このように、「年次」と「年時」には明確な違いがあります。
「年次」の例文
・『部長から、年次有給休暇を消化するように言われたため、思い切って温泉旅行に出かけました』
・『履歴書を書く際、毎回、卒業年次がわからず困ってしまいます』
・『主任に年次計画書を確認して頂きました』
・『年次決算が近づき、みんなピリピリしています』
「年時」の例文
・『自分が小学生の年時のころは、YouTubeなどなく、いつも外で友達と遊んでいました』
・『私の初恋は、中学一年時でした』
・『妻とは大学2年時にサークルで出逢いました』
・『街で高校2年時に付き合っていた彼女と再会しました』
まとめ
以上のように明確な違いがある「年次」と「年時」。
間違って使用することで、時期のずれなども生じかねないため、正しい使い分けが求められる言葉となります。